はじめに:「企画」ってそもそも何?なぜ大事なの?
「ゲームを作りたい!」と思ったとき、多くの初心者がいきなりゲームエンジンを起動して、とりあえずキャラクターを動かそうとします。気持ちはよくわかります。でもちょっと待ってください。
実は、ゲーム開発で最初につまずく原因のほとんどが「企画がないまま作り始めた」ことなんです。
企画とは、簡単に言うと**「どんなゲームを作るか」を決める設計図**のこと。料理でいえばレシピ、建物でいえば設計図に相当します。これがないと、作っている途中で「何を作りたかったんだっけ?」と迷子になってしまいます。
この記事では、ゲーム開発がまったく初めての方でも実践できる、企画の考え方をていねいに解説します。
まず「どんなゲームを作りたいか」を書き出してみよう
企画の第一歩は、頭の中にあるイメージを言葉にすることです。完成形が見えていなくても大丈夫。まずは思いついたことをどんどん書き出してみましょう。
ブレインストーミングのやり方
紙でもメモアプリでも構いません。以下のような質問に答えながら書き出してみてください。
- 好きなゲームはどんなゲームですか?
- 「こんなゲームがあったらいいな」と思ったことはありますか?
- どんな気持ちをプレイヤーに感じてほしいですか?(楽しい、怖い、達成感、笑いなど)
- 1人で遊ぶゲームですか?複数人で遊ぶゲームですか?
正解はありません。「なんとなくRPGっぽいやつ」「謎解きが好きだから謎解き系」くらいのざっくりしたイメージでOKです。
初心者が陥りがちな「企画ミス」とは?
ゲーム開発初心者が最もやりがちな失敗が、スコープ(作る範囲)が大きすぎる企画を立てることです。
よくある「大きすぎる企画」の例
- 「オープンワールドのRPGを作りたい」
- 「マルチプレイヤー対応のバトルロイヤルゲーム」
- 「50時間以上遊べるストーリーゲーム」
これらは、プロの開発チームが何年もかけて作るような規模のゲームです。個人の初心者が最初から挑戦すると、まず間違いなく途中で挫折します。
最初の目標は「完成させること」。小さくてもいいので、最後まで作りきる経験がとても大切です。
💡 初心者へのアドバイス 最初のゲームは「1〜2時間以内にプレイできる」規模を目安にしましょう。シンプルなパズルゲームやプラットフォーマー(横スクロールアクション)が特におすすめです。
企画を絞り込む3つの軸
アイデアが出てきたら、次は絞り込みます。以下の3つの軸で考えると整理しやすくなります。
① ジャンル:どんな種類のゲームか
初心者におすすめのジャンルを紹介します。
| ジャンル | 特徴 | 難易度 |
|---|---|---|
| パズルゲーム | ルールがシンプルで作りやすい | ★☆☆ |
| クリッカーゲーム | 仕組みが単純で実装しやすい | ★☆☆ |
| 横スクロールアクション | 動きが楽しく、学習素材も豊富 | ★★☆ |
| シューティングゲーム | 物理的な動きが学べる | ★★☆ |
| ノベルゲーム | プログラムより文章力が重要 | ★☆☆ |
② プレイ時間:どのくらいで遊び終わるか
最初のゲームは5〜30分程度で遊び終わる長さを目安にしましょう。短いゲームは「手抜き」ではありません。完成させる力こそが、次の大きなゲームへの最短ルートです。
③ 操作の単純さ:どうやって操作するか
操作は少ないほどシンプルに作れます。最初は「クリックだけ」「矢印キーだけ」といった操作数が1〜2種類のゲームから始めることをおすすめします。
「面白さの核」を1文で言えるか?
企画を絞り込んだら、次はそのコアコンセプト(面白さの核)を1文で言語化してみましょう。
なぜ1文にするのか?それは、「作っている途中でブレないため」です。開発を進めていると、「あれも追加したい」「これも入れたい」という欲が出てきます。そのときに「このゲームは○○が面白いゲームだ」という芯があると、余計な機能を足しすぎるのを防げます。
コアコンセプトの例
- 「ブロックを積み重ねて高さを競う、シンプルな積み上げゲーム」
- 「1クリックで敵を倒し続ける、テンポよく遊べるクリッカー」
- 「左右に動くだけで障害物を避け続ける、反射神経ゲーム」
**「〇〇して△△する、□□なゲーム」**という構造で書くと整理しやすいです。
参考になるゲームを分析しよう
企画を考える上で、すでに世の中にあるゲームを分析することはとても重要です。「パクリになるんじゃないか」と心配する必要はありません。プロの開発者も必ずリファレンス(参考作品)を研究しています。
分析するときのポイント
- どこが面白いか:一番楽しい瞬間はどこか?
- 操作は何種類か:思ったより少ないはず
- 最初の30秒:プレイヤーをどう引き込んでいるか
- ゲームオーバー条件:何をしたら負けになるか
無料でプレイできるゲームを探すなら、unityroom(Unity製ゲームが多数)やitch.io(インディーゲームの宝庫)がおすすめです。個人開発のゲームが無料で大量に公開されており、良いインプットになります。
企画書テンプレート(簡易版)を使ってみよう
最後に、実際に使える簡易企画書テンプレートを紹介します。このフォーマットに沿って埋めていくだけで、ゲームの骨格が見えてきます。
簡易企画書テンプレート
■ ゲームタイトル(仮):
■ ジャンル:
■ コアコンセプト(1文):
■ プレイヤーの目標:
■ 操作方法:
■ ゲームオーバー条件:
■ クリア条件:
■ 目標プレイ時間:
■ 参考にしたゲーム:
記入例
■ ゲームタイトル(仮):かわせ!いんせき
■ ジャンル:アクション(避けゲー)
■ コアコンセプト(1文):左右に動くだけで降ってくる隕石を避け続ける、シンプルな反射神経ゲーム
■ プレイヤーの目標:できるだけ長く生き延びる
■ 操作方法:左右矢印キー(またはタップ)のみ
■ ゲームオーバー条件:隕石に当たったら終了
■ クリア条件:なし(スコアアタック型)
■ 目標プレイ時間:1回3〜5分
■ 参考にしたゲーム:Dodge the Creeps, Fruit Ninja
いかがでしょうか。このくらいシンプルで構いません。まずは「小さく決めて、完成させる」が個人ゲーム開発の鉄則です。
まとめ:企画は「完成させるための設計図」
今回お伝えしたポイントをおさらいします。
- 企画とは「どんなゲームを作るか」を決める設計図
- まずは思いついたことを書き出すブレインストーミングから始める
- 初心者はスコープを小さく絞ることが成功のカギ
- 「ジャンル・プレイ時間・操作の単純さ」の3軸で絞り込む
- コアコンセプトを1文で言語化して軸をぶらさない
- 既存ゲームを参考にして面白さの構造を学ぶ
- 簡易企画書テンプレートで企画を「見える化」する
次回は、企画が決まったあとに選ぶべき「ゲームエンジン」の比較について解説します。お楽しみに!
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