個人ゲーム開発のデバッグ・テストプレイの進め方|客観的なフィードバックの集め方【STEP5】

初心者向けゲーム開発入門

前回の記事「制作・実装の進め方」でゲームの形ができてきたら、次は仕上げの工程である「デバッグ」と「テストプレイ」です。この工程を軽視すると、公開後に不具合報告が殺到したり、「操作が分かりにくい」という理由だけで遊んでもらえなくなったりします。今回はSTEP5として、個人開発でも実践できるデバッグ・テストプレイの進め方を解説します。

目次

  1. 「デバッグ」と「テスト」の違い
  2. 自分でできるデバッグの基本
  3. 他人にテストプレイしてもらう意味
  4. テストプレイを依頼するときの注意点
  5. フィードバックの集め方・聞き方のコツ
  6. まとめ

1. 「デバッグ」と「テスト」の違い

普段なにげなく使う「デバッグ」という言葉ですが、本来は意味が少し異なります。

  • デバッグ:バグの原因を解析し、修正する行為
  • テスト:プログラムのバグによって生じた不具合(故障)を発見すること

テストでは、プレイヤー視点でストーリーを進めるというより、「設計通りダンジョンを進めるか」「敵と戦えるか」といったあらかじめ決めた項目を、一つひとつ忠実かつ正確に確認していく作業になります。一方、操作のしやすさや分かりやすさといった主観的な評価は、デバッグのもう一つの目的である「品質向上」の観点に含まれます。

個人開発では「テスト」と「デバッグ」を厳密に分業することは難しいですが、

  • 動作確認(テスト的な視点):仕様通りに動くか、バグはないか
  • 遊びやすさの確認(デバッグ的な視点):操作は分かりやすいか、ストレスなく遊べるか

の2つの視点を意識して進めると、抜け漏れが少なくなります。

2. 自分でできるデバッグの基本

公開前に、最低限次のチェックは自分で済ませておきましょう。

  • 一通り最初から最後までプレイする:自分が想定した通りの操作で、ゲームがクリアできるか確認する
  • 想定外の操作を試す:わざと変な操作(連打、同時押し、画面外をタップなど)をして、フリーズやエラーが出ないか確認する
  • 異なる環境で動かす:可能であれば複数のPC・スマホ・解像度で動作確認する
  • ログやエラー表示を確認する:開発中に出るエラーメッセージや警告を放置しない

ただし、自分だけでのチェックには限界があります。作った本人は無意識に「正しい操作方法」を知っているため、初見のプレイヤーがどこでつまずくかを見落としがちです。

3. 他人にテストプレイしてもらう意味

ここで重要になるのが、第三者によるテストプレイです。テストを実行する担当者には、ゲーム業界でも科学者のように客観的に作業を進めることが求められます。自分一人では気づけない「操作の分かりにくさ」「説明不足な部分」「想定外のプレイスタイル」を見つけるには、第三者の目が欠かせません。

個人開発だからといって全くテストプレイを行わずに公開すると、SNSなどで不具合や使いにくさを指摘され、いわゆる「デジタルタトゥー」のように悪い評判が残ってしまうリスクもあります。少人数でもいいので、自分以外の人にプレイしてもらう機会を作ることをおすすめします。

4. テストプレイを依頼するときの注意点

身近な人に頼む場合と、外部のサービスに依頼する場合、それぞれにメリットがあります。

身近な人に頼む場合

  • 気軽に依頼できる、無料
  • ただし「優しい感想」になりがちで、率直な指摘が出にくいことがある
  • 依頼するときは「面白いか」だけでなく「ここで操作に迷わなかったか」など、具体的な質問を用意しておくと深いフィードバックが得やすくなります

外部サービス・コミュニティに依頼する場合

  • ココナラなどのスキルマーケットには、個人・少人数チーム向けにデバッグ・テストプレイを請け負うサービスもあります。第三者視点でのバグ出しや、感想のフィードバックを受けられます
  • 開発者コミュニティでテストプレイを募集する方法もあり、同じ個人開発者同士で相互にテストし合う文化も存在します

予算や進捗状況に応じて、無料の身近な人+有料の専門サービスを組み合わせるのも一つの手です。

5. フィードバックの集め方・聞き方のコツ

ただ「遊んでみて」と渡すだけでは、もらえる感想は「面白かった」「楽しかった」程度になりがちです。質の高いフィードバックを得るために、次のような工夫をしましょう。

  • チェックリストを用意する:「操作方法は説明なしで分かったか」「詰まった場面はあったか」「もう一度遊びたいと思ったか」など、具体的な質問項目を事前に用意する
  • プレイ中の様子を観察する:可能であれば、実際にプレイしているところを横で見せてもらう。操作に迷っている瞬間がそのまま改善点になります
  • 開発フェーズごとにテストする:実装初期のα版、ほぼ完成のβ版など、段階ごとに異なる視点でテストプレイしてもらうと、各フェーズに応じた的確なフィードバックが得られます
  • 否定的な意見も歓迎する姿勢を見せる:「率直な感想が一番ありがたい」と先に伝えておくと、相手も指摘しやすくなります

6. まとめ

デバッグ・テストプレイのポイントは次の3つです。

  1. 自分でできる基本チェック(一通りプレイ、想定外の操作、複数環境での確認)は必ず行う
  2. 第三者によるテストプレイを、身近な人や外部サービスを使って必ず1回は実施する
  3. 具体的な質問項目を用意して、質の高いフィードバックを引き出す

不具合と使いにくさをひと通り潰したら、いよいよ公開です。次回はSTEP6「公開・配信のやり方」を、ふりーむ!やSteamなど主要プラットフォームの特徴を比較しながら解説する予定です。


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