ゲームの企画書を実際に書いてみよう|テンプレートで企画をまとめる実践ガイド

初心者がゲームの企画を考える

はじめに:企画書は「自分のための設計図」

ここまでの記事で、ゲーム開発の企画に必要な知識をひととおり学んできました。

  • アイデアの出し方・絞り方(企画の考え方)
  • どのジャンルから始めるか(ジャンル別ガイド)
  • 参考ゲームの分析方法
  • 面白さの種類と選び方
  • ターゲットプレイヤーの決め方
  • 1人開発に向いている規模感

これらをバラバラに持っていても、頭の中で整理するのは大変です。そこで登場するのが企画書です。

企画書といっても、プロのゲーム会社が作るような大げさなものではありません。「自分が何を作るかを整理した、自分のための設計図」です。A4用紙1枚、またはメモアプリ1ページで十分。大切なのは「書く」ことです。

頭の中にあるアイデアを文字にするだけで、開発中の迷いが減り、完成に向けて動き出しやすくなります。この記事では、実際に使える統合版企画書テンプレートと、記入例をご紹介します。


企画書を書くタイミング

企画書はいつ書けばいいのでしょうか。答えはシンプルです。

「作り始める前」に書く。

ゲームエンジンを開く前、コードを1行書く前、素材を探し始める前——まず企画書を書くことを習慣にしましょう。

書く前に用意するもの

  • 紙とペン、またはメモアプリ(何でもOK)
  • これまでの記事で考えてきたアイデアのメモ
  • 参考にしたいゲームのタイトル

所要時間は30分〜1時間が目安です。完璧に仕上げようとせず、まず埋められるところから書いていきましょう。書きながら考えが整理されていくので、最初は空欄があっても構いません。


企画書に必要な5つの項目

企画書には最低限、以下の5つの項目が揃っていれば十分です。

① ゲームの概要

ゲームの「核」をまとめる項目です。

  • タイトル(仮):正式名称でなくてOK。後から変えられます
  • ジャンル:パズル・アクション・ノベルなど
  • コアコンセプト(1文):「〇〇して△△する、□□なゲーム」の形で
  • 面白さの種類:達成感・成長感・驚き・競争・没入感・創造・緊張と解放から選ぶ

② ターゲットプレイヤー

「誰のために作るか」を明確にする項目です。

  • 年齢層・ゲーム経験:初心者/ライトゲーマー/コアゲーマー
  • プレイ環境:スマホ/PC/ブラウザ
  • 一言でいうとどんな人か:「〇〇な△△」の形で

③ ゲームの仕様

ゲームのルールを定義する項目です。

  • 操作方法:何をどう操作するか
  • プレイヤーの目標:何を目指すか
  • ゲームオーバー条件:何をしたら(何が起きたら)負けか
  • クリア条件:何を達成したら勝ちか(エンドレス型の場合は「なし」)
  • 目標プレイ時間:1回あたり何分か

④ 規模感

作業量を把握するための項目です。

  • 画面数:タイトル・ゲーム・ゲームオーバーなど
  • ステージ数:何面構成か
  • 実装する機能リスト:箇条書きで全部書き出す
  • 必要な素材リスト:キャラ・背景・BGM・効果音など
  • MVPの定義:最低限「遊べる状態」とは何か

⑤ スケジュール

完成までの見通しを立てる項目です。

  • MVP完成目標日:いつまでに最低限遊べる状態にするか
  • リリース目標日:いつ公開するか
  • 1日あたりの開発時間:どのくらい時間を使えるか

企画書テンプレート(統合版)

上記の5項目をまとめた、実際に使える統合版テンプレートです。コピーして使ってください。

■ ゲーム企画書

作成日:
最終更新日:

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【① ゲームの概要】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・タイトル(仮):
・ジャンル:
・コアコンセプト(1文):
・面白さの種類:

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【② ターゲットプレイヤー】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・年齢層:
・ゲーム経験:(初心者 / ライトゲーマー / コアゲーマー)
・プレイ環境:(スマホ / PC / ブラウザ)
・一言でいうとどんな人か:

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【③ ゲームの仕様】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・操作方法:
・プレイヤーの目標:
・ゲームオーバー条件:
・クリア条件:
・目標プレイ時間(1回あたり):

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【④ 規模感】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・画面数:
・ステージ数:
・実装する機能リスト:
  -
  -
  -
・必要な素材リスト:
  - キャラクター:
  - 背景:
  - BGM:
  - 効果音:
・MVPの定義:

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【⑤ スケジュール】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・1日あたりの開発時間:
・MVP完成目標日:
・リリース目標日:

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【追加リスト(MVP完成後に検討)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・
・
・

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【参考にしたゲーム】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・
・
・

記入例:「かわせ!いんせき」

テンプレートの使い方をイメージしやすくするために、1本目の記事で登場した「かわせ!いんせき」を例に、全項目を記入してみます。

■ ゲーム企画書

作成日:2026年6月22日
最終更新日:2026年6月22日

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【① ゲームの概要】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・タイトル(仮):かわせ!いんせき
・ジャンル:アクション(避けゲー)
・コアコンセプト(1文):左右に動くだけで降ってくる隕石を避け続ける、シンプルな反射神経ゲーム
・面白さの種類:緊張と解放・競争(スコアアタック)

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【② ターゲットプレイヤー】
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・年齢層:10〜30代
・ゲーム経験:ライトゲーマー
・プレイ環境:ブラウザ(PC・スマホ両対応)
・一言でいうとどんな人か:隙間時間にサクッと遊びたい、アクション好きの学生・社会人

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【③ ゲームの仕様】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・操作方法:左右矢印キー(PC)/ 左右タップ(スマホ)のみ
・プレイヤーの目標:できるだけ長く生き延びてハイスコアを目指す
・ゲームオーバー条件:隕石に当たったら終了
・クリア条件:なし(エンドレス・スコアアタック型)
・目標プレイ時間(1回あたり):1〜5分

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【④ 規模感】
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・画面数:3画面(タイトル・ゲーム・ゲームオーバー)
・ステージ数:なし(エンドレス)
・実装する機能リスト:
  - プレイヤーの左右移動
  - 隕石の出現・落下処理
  - 当たり判定
  - スコアカウント
  - ゲームオーバー処理
  - ハイスコア保存
  - タイトル画面
  - ゲームオーバー画面
・必要な素材リスト:
  - キャラクター:プレイヤー1体・隕石1種類(図形で代用可)
  - 背景:宇宙背景1枚(フリー素材)
  - BGM:1曲(フリー素材)
  - 効果音:被弾音・スコア加算音の2種類(フリー素材)
・MVPの定義:「左右移動・隕石落下・当たり判定・スコア表示」が動く状態

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【⑤ スケジュール】
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・1日あたりの開発時間:1〜2時間
・MVP完成目標日:企画書作成から1週間後
・リリース目標日:企画書作成から3週間後

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【追加リスト(MVP完成後に検討)】
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・隕石の種類を増やす(大・中・小)
・時間経過で難易度が上がる仕組み
・タイトル画面の作り込み
・SNSシェア機能

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【参考にしたゲーム】
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・Dodge the Creeps(Godot公式サンプル)
・Fruit Ninja(直感的な操作感の参考に)
・unityroom掲載の避けゲー作品

いかがでしょうか。これだけ埋まっていれば、あとはゲームエンジンを開いて実装を始めるだけです。


企画書を書いたあとにやること

企画書が完成したら、次のステップに進みましょう。

ステップ1:声に出して読んでみる

企画書を声に出して読むと、「説明が長すぎる」「ここが曖昧」という箇所に気づきやすくなります。誰かに説明するつもりで読んでみましょう。

ステップ2:信頼できる人に見せる

家族・友人・SNSのフォロワーなど、誰か1人に企画書を見せてみましょう。「面白そう」「これはどういう意味?」などの反応が、企画をブラッシュアップするヒントになります。

ステップ3:ゲームエンジンを選ぶ

企画書が固まったら、いよいよ開発ツールを選ぶ段階です。次回の記事では「ゲームエンジンの選び方」について、Unity・Godot・RPGツクールなどを初心者向けに比較解説します。


まとめ

今回お伝えしたポイントをおさらいします。

  • 企画書は「自分のための設計図」。A4用紙1枚で十分
  • 書くタイミングは「作り始める前」。コードを書く前に必ず書く
  • 企画書に必要な5項目は「概要・ターゲット・仕様・規模感・スケジュール」
  • 統合版テンプレートをコピーして、埋められるところから書き始める
  • 記入例を参考に、自分のゲームに置き換えてみる
  • 書いたあとは声に出して読み、誰かに見せてブラッシュアップする

企画書が1枚あるだけで、開発中の迷いが大幅に減ります。ぜひ今日のうちに、自分のゲームの企画書を書いてみてください!


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