実践ガイド

【個人開発の相棒】Stable Diffusionは個人開発向きか?無料の代わりに背負うライセンスの複雑さ

※本記事にはアフィリエイトリンク(Amazonアソシエイト、Udemyアフィリエイト)が含まれます(PR)。公式情報などを調査したレポートです。

NovelAIやMidjourneyのようなサブスク型の画像生成AIとは違い、Stable Diffusionは「モデルによっては無料でローカルPCでも動かせる画像生成AI」です。当サイトではまだ制作に使用していませんが、注目度の高いツールとして、仕組み・ライセンスの複雑さ・ゲーム開発での実用性を調査しました。

これは個人開発に役立つ生成AIサービスを1サービス1記事で紹介するシリーズの一環です。


Stable Diffusionとは

何ができるサービスか

Stable Diffusionは、Stability AIが2022年に公開した画像生成AIモデルのシリーズです。モデルの重み(AIの学習済みデータ)が公開されているものは、自分のPC上で動かすこともできます。クラウドサービス経由で利用する方法もあります。「AUTOMATIC1111(WebUI)」や「ComfyUI」といった専用ソフトを介して操作します。

必要な環境

ローカルで動かすには、ある程度のPCスペックが必要です。目安として、NVIDIA製GPUでVRAM(グラフィックボード上の専用メモリ)が8GB以上、快適に使うなら12〜16GB以上が推奨されています。GPUがないPCでも、Mage.spaceなどのクラウドサービスを使えば、ローカルにGPUを用意せずに試せます。Google Colabを使う場合は、利用するノートブックの設定や実行が必要です。

導入自体は、Easy DiffusionやStability Matrixのような簡易インストーラーを使えば、導入の手間を減らせますが、PC環境やモデルによっては追加設定やトラブル対応が必要です。ただし、モデルの追加・トラブル対応など踏み込んだ使い方をするには、Git・Pythonの基礎知識があった方がスムーズです。

バージョンごとのライセンスの違い

Stable Diffusionでもっとも注意が必要なのが、バージョン・配布ファイルごとにライセンスが異なる点です。比較用に掲載するFLUX.1は別の提供元Black Forest Labsのモデルで、Stable Diffusionの一種ではありません。

モデルライセンス商用利用の条件
SD 1.5(掲載モデル)CreativeML Open RAIL-Mライセンス本文に年商の閾値はなく、禁止用途や再配布の条件などがある。モデルカードの想定用途も確認
SDXL 1.0 baseCreativeML Open RAIL++-Mライセンス本文に年商の閾値はなく、禁止用途や再配布の条件などがある
SD 3.5 LargeStability AI Community License公式モデルカードでは年商100万米ドル未満の個人・組織は商用利用可能。モデルの商用利用・配布には登録が必要。関連会社の売上を含む条件や境界値は公式ライセンスを確認
Flux.1 [schnell]Apache 2.0Apache 2.0の条件の下で商用利用可能。生成物や使用素材の権利は別途確認

※SD 3 Mediumは公式の通常版とdiffusers版でモデルカードの商用利用条件の記載が異なります。利用する配布元の条件を確認し、必要なら提供元に問い合わせてください。Enterpriseライセンスは公開の定額料金が存在せず、Stability AI公式サイトから問い合わせて個別契約する形式です(金額は非公開)。対象となる売上は個人・法人を問わず確認し、境界値や具体的な利用条件は最新の公式ライセンスで確認してください。

掲載したSD 1.5、SDXL 1.0 base、Flux.1 [schnell]の各ライセンス本文には、年商による閾値はありません。ただし、SD 1.5のモデルカードは研究目的を想定用途として記載しています。想定用途とライセンス上の条件を区別し、実際に使用する配布物の両方を確認してください。Civitai・Hugging Faceなどで配布されている派生モデルやLoRA(既存モデルに追加学習させたファイル)も、配布物ごとに条件を確認する必要があります。


ゲーム開発者が知っておくべき注意点

モデル・LoRAごとに個別確認が必要な煩雑さ

NovelAIやMidjourneyは「サービスの利用規約を1つ確認すればよい」形式ですが、Stable Diffusionは「本体のライセンス」+「使用するモデルのライセンス」+「LoRAのライセンス」を、それぞれ個別に確認する必要があります。特にキャラクターデザイン用にLoRAを使う場合、既存キャラクターを学習させたLoRAは二次創作としてグレーゾーンになりやすく、ゲームの商用素材として使うのは避けた方が無難です。

img2imgでの著作権リスク

参考画像を読み込ませて生成する「img2img」機能は、読み込む画像に著作権がある場合、生成物が著作権侵害と判断されるリスクがあります。既存のイラストや他社ゲームのスクリーンショットを参考画像に使うことは避けましょう。

商用利用時はモデルと素材の条件を確認

Flux.1 [schnell]はApache 2.0ライセンスで公開され、商用利用も可能です。ただし、モデルの利用条件だけで生成物や入力素材の権利問題が解決するわけではありません。用途に応じて公式モデルカードと使用素材の権利を確認しましょう。画質は設定や目的によって変わるため、自分の用途で比較してください。


NovelAI・Midjourneyとの違い・使い分け

自由度とカスタマイズ性の高さ

Stable Diffusionの最大の強みは、LoRA(画風の追加学習)やControlNet(ポーズ・構図を固定する拡張機能)を自由に組み合わせられることです。「このキャラクターのこのポーズだけを再現したい」といった細かい要求に応えやすく、キャラクターや構図をそろえるための選択肢になります。ただし一貫性はモデル、学習素材、設定によって変わり、再現を保証するものではありません。

セットアップの手間・技術的ハードル

NovelAIやMidjourneyはブラウザを開けばすぐに使えますが、Stable Diffusionを自分のPCで動かす場合は環境構築が必要です。Easy DiffusionやStability Matrixで手間は減らせるものの、「触ってすぐ綺麗な画像が欲しい」だけならMidjourneyやNovelAIの方が圧倒的に手軽です。

ゲーム素材としてどちらが向くか

  • 月額課金を避けたい、大量生成したい → Stable Diffusion(ローカルで生成する場合も電気代や機器費用がかかる)
  • 未発表の素材を外部に一切出したくない → Stable Diffusion(完全ローカル完結)
  • とにかく早く始めたい、技術的な手間をかけたくない → NovelAIまたはMidjourney
  • キャラクターの一貫性を調整したい → Stable DiffusionでLoRAを試す(モデルと設定により結果は変わる)

学習を体系的に進めたい方には、動画講座での学習もおすすめです。

Stable Diffusion入門講座(Udemy):2025年最新 Stable Diffusion 完全初心者向けパーフェクトスタートガイド(評価や講座の内容はリンク先で確認してください)


LM Studioと組み合わせて使う方法

ローカルLLM(大規模言語モデル)を動かすツール「LM Studio」を併用し、プロンプト作成の相談相手として使う構成も広がっています。ここでは画像生成用ソフトを別に用意し、LM Studioは文章の相談に使います。外部の画像生成プログラムと連携するコミュニティ製プラグインもありますが、別途設定が必要です。基本の役割分担は次の通りです。

  1. LM Studioでローカルの文章生成AIと日本語で相談し、英語のプロンプトに整形してもらう
  2. 整形したプロンプトをStable Diffusion側(AUTOMATIC1111やComfyUI)に渡して画像を生成する

英語プロンプトが苦手な人には有効な組み合わせですが、「LM Studioの中でStable Diffusionが動く」というよりも「2つの独立したローカルAIを連携させる」という理解が正確です。


すべてローカルAIでやりたい人へ

NovelAIやMidjourneyのような月額課金・外部サーバーへの依存を避け、画像生成もプロンプト作成もすべて自分のPC内で完結させたい場合、相応のPCスペックへの投資が必要になります。参考までに、Stable Diffusion運用に対応できる構成の一例を紹介します。

グラフィックボード単体で揃えたい場合

VRAM 16GBを搭載した、SDXL世代のモデルを快適に動かせるミドルレンジGPUです。

ASUS ProArt GeForce RTX 4060 Ti OC Edition 16GB

完成済みのPCを一台で揃えたい場合

すでにRTX 4060 Ti(16GB)を搭載した状態で届く完成品です。自作の手間をかけたくない人向けです。

Mouse G-Tune DG ゲーミングデスクトップ(Core i7-13700F・RTX 4060 Ti 16GB・32GBメモリ)

ノートPCに外付けでGPUを追加したい場合

すでに持っているノートPCのGPU性能だけを底上げしたい場合の選択肢です。Thunderbolt接続時の速度低下(帯域の制約)は考慮しておく必要があります。ケース単体では生成できず、対応GPUが別途必要な場合があります。購入前に同梱物、PC・OS、GPUの寸法や電源の対応も確認してください。

AKiTiO Node Thunderbolt 3対応 外付けグラフィックボックス

※価格・在庫状況・スペック表記は変動します。購入前に必ず商品ページで最新情報をご確認ください。


まとめ

  • Stable Diffusionはモデルによってライセンスが異なるため、利用条件の確認が必要
  • 掲載したSD 1.5・SDXL 1.0 base・Flux.1 [schnell]は、年商の閾値だけでなく、各配布物の利用条件やモデルカードの想定用途も確認する
  • Civitai等の派生モデル・LoRAは配布者ごとの個別ライセンス確認が必須
  • LM Studioで日本語のプロンプト作成を相談し、別の画像生成ソフトに渡す方法がある
  • 手軽さを取るならNovelAI・Midjourney、自由度とランニングコストの低さを取るならStable Diffusion、という住み分けが現実的

参考文献・出典

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