※本記事は実際の使用レポートです(アフィリエイトリンクは含まれません)。
個人でゲームを開発していると、プログラミングやレベルデザインだけでなく、キャラクターイラストの用意にも頭を悩ませます。本記事では、当サイトの制作プロジェクトで実際に使用しているアニメ調イラスト生成AI「NovelAI」について、料金・仕組みから、実際にゲーム開発で使ってみて分かったことまでをまとめます。
これは個人開発に役立つ生成AIサービスを1サービス1記事で紹介するシリーズの第1弾です。
NovelAIとは
何ができるサービスか
NovelAIは、アニメ調のイラスト生成に特化したAIサービスです。文章生成(小説執筆支援)機能もありますが、当サイトでは主に画像生成機能を使っています。プロンプト(生成したい内容を指定する短い単語や文章)を入力するだけで、キャラクターイラストや背景を生成できます。
料金プラン
月額のサブスクリプションプランが3種類あります(料金・条件は2026年11月7日確認)。メール認証済みアカウントでは、画像・文章生成などを回数限定で試せる無料トライアルもあります。条件は公式のプラン説明を確認してください。
| プラン | 月額 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Tablet | $10 | 文章生成無制限、画像生成用Anlas(アンラス:画像生成などに使うサービス内通貨)が毎月1,000付与 |
| Scroll | $15 | Tabletと同様のAnlas付与だが、文章生成の記憶容量が拡大 |
| Opus | $25 | 画像生成用Anlasが毎月所定数まで補充され、対象モデル・サイズ・設定に応じた生成特典あり |
画像生成に必要なAnlasはモデル、サイズ、ステップ数やプランなどによって異なります。生成前に画面の消費量を確認してください。月額プランの画像生成用Anlasを使い切った場合は、追加購入もできます。付与分は毎月上限まで補充される仕組みで、未使用分が無制限に積み上がるわけではありません。
商用利用時の注意点
NovelAIの利用規約は、ユーザーが生成コンテンツについて持つ権利を保持し、提供元は所有権を主張しないとしています。規約と適用法に従った利用が必要です。この規定だけで、生成物に著作権が成立することや第三者の権利を侵害しないことが保証されるわけではありません。ただし、生成されたキャラクターが既存の作品に偶然似てしまうリスクはゼロではないため、公開前に一度見比べる習慣をつけておくと安心です。
文章生成機能とゲーム開発での活用
NovelAIは「イラスト生成AI」という印象が強いですが、もともとは2021年に文章生成AIとしてスタートしたサービスで、画像生成機能は2022年に後から追加されたものです。詳しい沿革は公式の年表と画像生成の公開告知をご覧ください。
文章生成の2つのモード
- ストーリーテラー:ユーザーとAIが交互に文章を書き足していく共同執筆モード
- テキストアドベンチャー:行動を入力する「Do」、セリフを入力する「Say」を使い、TRPGのようにAIが展開を記述していくモード
さらに「Lorebook(世界観設定集)」にキャラクター名や地名などを登録すると、条件に応じて設定を生成時の文脈に含められます。矛盾がなくなる保証はないため、出力の確認が必要です。
ゲーム開発での活かし方
文章生成をゲーム開発のテキスト作成に応用する場合、次のような使い方が考えられます。
- NPCのセリフ・フレーバーテキストのたたき台作成:Lorebookにキャラクター設定を登録しておくことで、複数のセリフ案を生成し、設定や口調に合うか人が確認できる
- アイテム説明文・世界観設定文の下書き:ゲーム内テキストの分量が多い場合、初稿を生成してから手直しする方法もある
- ストーリー展開のブレインストーミング:展開に詰まったときにAIに続きを生成させ、そこから着想を得る
過信は禁物
一方で、そのままゲームに使うには注意点もあります。
- 日本語の出力は、選ぶモデルや指示によって品質が変わるため、内容を確認し、必要に応じて手直しする
- AIが矛盾した展開を生成することもあり、長編になるほど「メモリー」機能(AIに常に覚えておいてほしい情報を登録する機能)での軌道修正が欠かせない
- ゲームエンジン側のテキスト管理形式とLorebookがそのまま連携するわけではないため、結局コピー&整形の手間は発生する
実際にゲーム開発で使ってみた
当サイトでは、開発中の2Dアクション「STATION OOPS」のキャラクター立ち絵と、ミステリーADV「波無島事件」の立ち絵・背景の両方でNovelAIを使用しています。
キャラクターシード値を使った一貫性のある生成
NovelAIには、画像生成時の乱数の種となる「シード値」を指定する機能があります。同じシード値と似たプロンプトを使い回すことで、同じキャラクターの別ポーズ・別表情に近い結果を試せますが、一貫性は保証されないため生成結果の確認が必要です。STATION OOPSでは、主人公・AIコンパニオンのECHO・最終ボスのNOAそれぞれに専用のシード値を割り当てて管理しています。
つまずいたポイント
実際に運用してみて分かった、記事にしておきたい注意点をまとめます。
- 書き出す画像のサイズによってAnlasの消費量が変わる:同じモデル・設定では、画像サイズを大きくするとAnlasの消費が増える場合があります。量産する素材は必要最小限のサイズで生成し、仕上げの一枚だけ高解像度にするなど使い分けると節約になります。
- シード値を固定してもトーンがぶれることが多い:同じシード値・似たプロンプトを使っても、髪の色味や表情の雰囲気が微妙に変わることがよくあります。複数枚生成して一番トーンが近いものを選ぶ前提で臨んだ方がストレスが少ないです。
- ページを更新・移動すると生成履歴が消える:NovelAIはセッションベースで動作するため、画像生成ページを更新したり離れたりすると、生成した画像の履歴が失われます。気に入った生成結果はその場でダウンロードしておく必要があります。
- 月額$10(Tabletプラン)だとすぐに上限に達する:キャラクターの試行錯誤を重ねるとAnlasはあっという間になくなります。結局、当サイトでは月額プランに加えて、従量課金でAnlasを追加購入する形に落ち着きました。
ゲーム開発での活用に向くケース・向かないケース
向くケース
- アニメ・イラスト調のキャラクターデザインを、外注前のラフ案として大量に試したい場合
- 個人開発でイラストレーターに依頼する予算がなく、自作の代替手段が必要な場合
- 立ち絵・背景など、量産が必要な素材を効率的に用意したい場合
向かないケース
- 写実的な人物・背景表現が必要な場合(NovelAIはアニメ調表現に特化しているため)
- キャラクターデザインの完全な一貫性(アニメ本編レベルの厳密さ)が求められる場合
他の画像生成AIとの簡単な比較
Midjourneyなど他の画像生成AIと比較すると、NovelAIはアニメ・二次元表現への特化度が高く、日本語のプロンプトにもある程度対応している点が特徴です。写実的な表現や幅広い画風を求める場合は他サービスの方が適していることもあるため、用途に応じて使い分けるのがおすすめです。
まとめ
- NovelAIの有料プランは月額10〜25米ドルで利用でき、生成物の利用は規約と第三者の権利を確認
- シード値である程度キャラクターの一貫性は保てるが、完全な再現は難しい
- 生成履歴は消えるため、気に入った画像はその都度ダウンロードが必須
- 本格的に使うなら、上位プランまたは従量課金でのAnlas追加購入を前提に予算を組んでおくとよい
参考文献・出典
- NovelAI公式ドキュメント(https://docs.novelai.net/)
- NovelAI公式サイト(https://novelai.net/)
- NovelAI公式:画像生成履歴
