実践ガイド

Codexで短編RPGを作る【3】依頼・戦闘・配達を、最後までつなぐ

Codexで短編RPGを作る 第3回 依頼・戦闘・配達のアイキャッチ(AI生成イメージ)

※アイキャッチはAIで作成したイメージ画像です。本文のゲーム画面は実際のスクリーンショットです。

老局長から手紙を預かり、坑道の敵を退け、モクに届ける。『最後の配達人』の進行は短いですが、同じ場所を訪れても、依頼前と依頼後、ボス撃破後では反応を変える必要があります。

前回は3枚のマップを紹介しました。今回は、その上に置いた会話や戦闘を、ゲームの状態に合わせて切り替える仕組みです。終盤ではボスの姿と台詞に触れますが、手紙の本文と結末は第5回まで載せません。

局長の台詞と、出発できる条件をそろえる

ゲームを始めると、まず操作方法と閉局の日の導入が表示されます。その後、主人公の近くにいる老局長へ向かいます。局長は、手紙の宛先と東の旧郵便坑道を案内します。

依頼を受けた後、局長が目的地を案内する会話

依頼前に東の出口へ行った場合は、そのまま坑道へ移動させません。「出発前に、広場の老局長から手紙を預かろう」と表示します。目的を知らないまま進むことを避けるための処理です。

この切り替えにはスイッチを使っています。スイッチは、ゲーム内で出来事が済んだかをON/OFFで覚えておく目印です。局長との依頼の会話を終えると「最後の配達依頼」をONにし、出口の反応を場所移動へ変えます。

局長にも、状態ごとのイベントページを用意しました。イベントページは、同じ人物や場所に対して、条件に合う処理へ切り替えるための設定です。

進行状態局長の反応
まだ依頼を受けていない宛先と事情を話し、配達を頼む
依頼を受けた坑道の先が中継所だと案内する
番人を止めた手紙はモクへ届けるよう伝える

台詞だけを変えても、出口の条件が変わらなければ出発できません。反対に、出口だけ開いても依頼を受けたことが分かりません。同じスイッチを使って、会話と移動の両方をそろえました。

通常戦は、勝った後の道まで含めて作る

坑道では3か所に通常戦を置きました。接触で戦闘に入り、勝つとその戦闘を終えたスイッチがONになります。以後は敵のいないページへ切り替え、先へ通れる状態です。

洞窟の背景で戦う、坑道の敵たち

一度消すだけの処理では、マップを出入りすると敵が戻る場合があります。今回は戦闘ごとのスイッチで撃破を記録しました。以前の分割プレイでは、ボス撃破後に村へ戻り、再び坑道を通ったときも、倒した通常敵は再出現していません。

最終調整で使った敵は、HP800の荒くれ、HP700の迷い火、HP3200の郵便番人です。これらは今回の作品内の値で、同じ素材の敵を選べば同じ強さになる、という意味ではありません。能力値や装備を変えて調整しています。

画像を選んだだけでは、ちょうどよい強さになりませんでした。序盤には敵から受けるダメージが小さすぎる場面があり、調整後には強すぎる攻撃も出たため、実際の戦闘を見ながら敵の攻撃力とリナの装備を直しました。

回復役には、番人を説明する役も持たせた

坑道の整備士に話しかけると、二人のHPとMPが全回復します。セーブを案内する台詞も入れました。マップで体力が減ったまま、次の戦闘へ進むしかない構成にはしていません。

番人の様子を話してくれる坑道の整備士

整備士は、誰も来なくなっても番人が毎朝門を開け続けていることを話します。回復のために立ち寄る場所で、次に会う相手の事情も少し分かる形です。

回復処理を置いた後、Codexは会話後の戦闘画面でも全快状態を確かめました。導入イベントでポーションを8本付与し、体力の回復と使用後の所持数も確認しています。その数値と操作は、第4回で紹介します。

ボスを倒しても、配達はまだ終わらない

ここからはボスの姿と、撃破前後の台詞を含みます。

最奥をふさぐのは「錆びた郵便番人」です。戦闘画像には、UNITE収録のサンドゴーレムを使っています。新しいボス画像を生成したものではありません。

最奥で戦う錆びた郵便番人

番人は「配達人ヲ、認証デキマセン」と告げます。止まらずに門を守り続けた相手を、二人が止めに行く場面です。通常戦の接触起動とは違い、ここでは番人との会話をきっかけに戦闘へ入ります。

勝つと「番人を修理した」のスイッチがONになり、戦闘後の会話から中継所へ移動します。このスイッチは、番人との戦闘が済んだことを記録し、村の局長とモクの会話を切り替えるために使っています。

手紙を渡す会話を終えたところで、さらに「手紙を配達した」をONにします。つまり、ボス戦と配達完了は別の条件です。戦闘に勝っただけで、すぐGAME CLEARにしない構成にしました。

条件の参照は機械で調べ、会話の流れは遊んで確かめる

生成したデータでは、戦闘が参照する敵グループが存在するか、イベントの位置がマップ内か、ページとスイッチの参照が合うかを検査しています。これは、名前や番号の取り違えを早く見つけるための確認です。

一方、戦闘後に元のマップへ戻るか、敵が消えて道が開くか、会話が進行に合っているかは、Codexが実際に遊んで確かめました。データの検査に通っても、画面では人物に重なってしまったり、帰り道の操作が分かりにくかったりしたからです。

次回は、その実プレイで何を確認し、どの問題を直したかをまとめます。キーボード操作では、Codexの操作ツールだけでは確認できず、私が手元で試す場面もありました。

第2回:人物とマップ / 目次 / 第4回:実プレイでの修正

この連載の記事

  1. 第1回:「最後の配達人」の企画と制作環境
  2. 第2回:二人の配達人と、道筋を絞った3枚のマップ
  3. 第3回:依頼・戦闘・配達を、最後までつなぐ(この記事)
  4. 第4回:遊んで分かった不具合と、人が確かめた操作
  5. 第5回:Windowsへ書き出し、最後の手紙を届ける
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