実践ガイド

個人開発のマーケティング入門⑥:紹介ページから利用までのハードルを下げる

個人開発のマーケティング入門 第6回「紹介ページから利用までをスムーズに」

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紹介ページまで来てもらえたら、そこで何をしてほしいでしょうか。体験版を遊ぶ、ツールで画像を一枚処理する、有料版の購入条件を確認する。作品によって、次の行動は違います。

ページを読んだ人が、自分の環境で使えるか分からなかったり、試すためのリンクを探せなかったりすれば、興味があっても先へ進みにくくなります。今回は、利用条件が分かり、次の操作を選べて、最初の体験まで進めるかを見直します。

第5回で選んだ告知先から、自分の紹介ページをたどるところを想像してみてください。以下では、短編探索ゲームと、画像の幅をまとめてそろえるツールを架空の例として使います。

「利用開始」を、作品に合う行動で決める

まず、どこまで進んだら今回の目的を果たしたと考えるかを決めます。ダウンロードされたことと、起動して遊ばれたことは違います。ツールも、編集画面が開いた時点と、必要な結果を持ち帰れた時点では、確かめたい内容が変わります。

作品の例 ページから最初の体験までの流れ 今回確かめる到達点の例
ダウンロードする短編ゲーム 対応環境を確認 → 体験版を入手 → 起動 → 操作する 最初の探索を始められる
ブラウザで使う画像ツール 利用条件を確認 → 編集画面を開く → 画像を選ぶ → 加工 → 保存 指定した幅の画像を保存できる
有料サービス 機能・料金を確認 → プランを選ぶ → 必要な登録・支払い → 利用 申し込んだ機能で最初の作業を終える

これは、すべての作品を同じ手順にする表ではありません。自分の作品では、実際に必要な画面と操作を書き出します。公開前で試せない作品なら、今できることと、利用できるようになる時期を分けて案内します。

到達点を具体的にすると、ページの説明を直すべきか、ダウンロードや起動の手順を直すべきかを考えやすくなります。

Photopeaは、ブラウザから編集を始める設計になっている

画像編集サービスPhotopeaの公式ガイドは、Webブラウザで動き、サイトへアクセスするとエディターを起動できると案内しています。また、快適な操作には大きな画面やマウス・ペン、キーボードを勧めています。Photopeaの公式利用ガイド

この案内からは、使い始める方法と、使いやすい環境を一緒に伝える考え方が読み取れます。インストールして起動する製品とは、最初に必要な手順が違います。ただし、この設計によって利用者や売上がどれだけ増えたかを示す資料としては扱いません。

自分のツールでも、目的に合うなら、説明ページから編集画面へ進む経路を用意する案が考えられます。画像を持っていない人向けにサンプルで試せるようにする方法もあります。

ゲームや、大きなデータを扱うアプリでは、ダウンロードやインストールが必要な場合もあります。作品に合う配布方法を選んだうえで、必要な操作と条件を伝えましょう。

試す前に知りたい条件を、操作の近くに置く

第4回では、何ができる作品かを紹介文と画像にしました。利用へ進む場所では、その説明に加えて「自分が今使えるか」を判断する情報も必要です。

確かめたいこと ゲームでの説明例 ツールでの説明例
利用できる環境 対応OS、必要な機器、操作方法 対応ブラウザ・端末、使えるファイル形式
費用と範囲 体験版で遊べる内容、製品版との違い 無料で使える範囲、有料機能、支払いのタイミング
始めるための準備 ダウンロード容量、展開・起動の手順 登録の要否、用意する画像、入力の上限
データの扱い セーブの有無、体験版からの引き継ぎ可否 画像の処理場所、保存先、削除の扱い

表は確認候補です。実際に対応していること、確認できたことを書きます。「すぐ使える」「無料」とだけ大きく見せ、後から必要な登録や支払い条件が分かる構成は避けます。継続課金や無料期間のあるサービスなら、その条件も、選ぶ前に確認できるようにします。

画像をサーバーへ送るツールなら、その扱いを説明します。端末内で処理するツールなら、実装を確認してからそう書きます。他サービスの説明を、そのまま自分の作品の保証に使うことはできません。

体験版の説明では、製品版と混同させないことも大切です。Steamの公式資料も、独立した体験版ページでは、そこで実際に使える機能や体験を示すよう案内しています。Steamworksの体験版ページに関する説明

必要な条件を一文に詰め込むと読みにくくなります。使うかどうかの判断に関わる情報を操作の近くに置き、詳しい手順や補足へ進めるようにします。

ボタンやリンクには、押した後の行動を書く

「こちら」「詳しく」だけでは、紹介の続きを読むのか、ダウンロードが始まるのかを判断しにくい場合があります。リンク先や操作の内容に合う言葉を選びます。

表示する言葉の例 実際に起きること
Windows用の体験版をダウンロード 対象の体験版ファイルを取得する
体験版の配布ページを開く 外部の配布ページへ移動する
サンプル画像で試す 用意された画像で編集を始める
料金とプランを見る 申し込み前に条件を確認する

ボタンの文言は、実際の動作に合わせてください。「ダウンロード」と書きながら別の紹介ページに着くなら、表示かリンク先を見直します。外部ストアへ進む場合も、行き先が分かる案内にします。

英国政府のGOV.UK Design Systemは、ボタンに実行する行動を書くこと、主要な行動を示すボタンを同じページで増やしすぎないことを勧めています。これは行政サービス向けの設計指針ですが、自分のページでも、次に何をする場所かを確かめる観点として使えます。GOV.UKのボタン設計ガイド

体験版、製品版、対応OSなど、選ぶ必要のある項目は残します。そのうえで、初めて来た人に勧める進み方が、他の案内に埋もれていないかを確認します。

入力やダウンロードの途中で、止まった理由を伝える

登録や入力が必要なら、最初の利用に何が必要かを見直します。例えば画像の幅をそろえるだけのツールで、開始前に勤務先や住所を求める必要があるでしょうか。後で聞ける情報はないか、任意の項目を必須にしていないかを確認します。利用や契約に必要な確認は残します。

入力できない場合の説明も、利用手順の一部です。「エラー」だけなら、何を直せばよいか分かりません。対応していない形式なら使える形式を、上限を超えたならその上限を示します。問題のある欄がどこかも分かるようにします。

W3Cのフォーム解説は、成功・失敗を知らせ、エラーでは分かりやすい説明と修正方法を伝えるよう勧めています。完了したときの案内も必要だとしています。W3C WAIの入力結果の伝え方

自分のツールでも、処理中なのか、終わったのか、保存に進めるのかを確認します。結果が出ていても保存先が分からなければ、利用者の作業は終わりません。

ダウンロードするゲームなら、入手後に開くファイルや、必要な展開の手順を案内します。起動できないときの問い合わせ先も用意します。警告や起動失敗が出た場合は原因を調べ、セキュリティ機能の無効化を通常の利用手順にしないようにします。

初めて使う人に、説明から最初の体験まで進んでもらう

第4回では、紹介から何を理解したかを聞きました。今回は、実際の操作を最初の体験まで進められるかを確かめます。作った本人は手順を知っているので、自分で確認した後は、想定する利用者に近く、操作を知らない人へ試してもらいます。

例えば「この体験版で最初の探索を始めてください」「このサンプル画像を指定の幅で保存してください」と、目的を伝えます。どこを押すかは先に教えず、何を読んで選び、どこで迷うかを見ます。実際の支払いや個人情報の入力を伴う場合は、確認用の環境やサンプルを使うなど、試す範囲を事前にそろえます。

操作後には、「どこが使いにくかったですか」だけで終わらせず、止まった場面について聞きます。「この表示を見て、次に何が起きると思いましたか」「ここでは何を探していましたか」と確かめると、表示と期待のずれを整理できます。

端末やブラウザ、ログイン状態も記録します。制作に使ったパソコンや、ログイン済みの画面で進めても、初めて来る人の環境で同じように進めるとは限りません。文字の拡大やキーボード操作で、説明と操作先を見失わないかも確認候補になります。

少人数の確認だけで、全利用者のつまずきや改善率は分かりません。まず、観察した操作と本人の発言を、こちらの推測と分けて残します。途中で帰った理由を、アクセス数だけから断定しないようにします。

利用までの経路をたどり、直す場所を一つ選ぶ

自分のページについて、次の欄を埋めてみてください。記録するのは、実際に確かめた内容と、次に確かめたいことです。

確認すること 自分の作品でのメモ
紹介ページから進んでほしい行動 ____________
最初の体験ができたと分かる到達点 ____________
その前に必要な環境・費用・準備 ____________
実際の画面と操作の順番 ____________
止まった場面と、本人が話したこと ____________
まず直す箇所と、その理由 ____________
修正後に確かめる端末・条件・操作 ____________

例えば、配布ページを開くつもりのリンクが古いURLになっているなら、まずそこを直します。何を入手するかで迷っていたなら、体験版と製品版の表示を見直します。直した後は、目的の体験まで進めるかを、同じ条件でたどり直しましょう。

次回の第7回:公開日の告知だけで終わらせない。無理なく届け続ける計画では、公開日の一度の告知で終わらせず、無理なく届け続ける予定を考えます。今回整えた利用までの経路を、更新情報や新しい紹介につなげていきます。

第5回:その人はどこにいる? 告知する場所を選ぶ

連載目次:個人開発のマーケティング入門

利用につながる伝え方を、入門書でも考える

紹介を見た人が何を知り、どんな行動を選ぶかを基礎から学びたい場合は、マーケティングの入門書を探す方法もあります。目次や試し読みで、顧客の理解、価値の伝え方、購入や利用までの流れを扱っているか確認してみてください。

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