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「ゲームが好きな人に遊んでほしい」「便利だと思う人に使ってほしい」。紹介文を考えようとしても、相手が広すぎて、何を伝えればよいか決まらないことがあります。
そんなときは、どんな場面にいる人へ、どんな楽しさや便利さを届けるかを、一度具体的に書いてみましょう。相手の今の選び方や作業が分かると、自分の作品を選んでもらう理由も考えやすくなります。
第2回では、ゲームがユーザーへ届いた事例を比べました。今回は、自分のゲームやツールで最初に声を届けたい相手を考え、次回の紹介文づくりに使える一文までまとめます。
年齢や職業に加えて、使う場面を書いてみる
「20代の会社員」「ゲーム好き」といった説明だけでは、何を探している人なのかは分かりません。同じ人でも、休日にじっくり遊ぶときと、寝る前に少し遊ぶときでは、選びたいゲームが違うかもしれません。
相手を考えるときには、使うタイミング、そこで楽しみたいことや済ませたいこと、今の選択肢を並べてみます。以下は、短編探索ゲームと、画像の幅をまとめてそろえるツールを想定した架空の例です。
| 作品 | 広いままの説明 | 利用場面まで考えた説明 |
|---|---|---|
| 短編探索ゲーム | ゲームが好きな人 | 休日に短い物語を一本遊び切りたくて、雰囲気の合う作品を探している人 |
| 画像の幅をそろえるツール | 画像を扱う人 | 記事を公開する前に、複数の画像の幅を一枚ずつ直している人 |
ゲームなら、欲しいのは楽しさや余韻、気分転換かもしれません。ツールなら、繰り返す作業を終わらせたい場合が考えられます。どちらも「その場面で何を得たいのか」を書くと、紹介する内容を選びやすくなります。
年齢や職業なども、作品の選び方や利用条件に関係するなら役立ちます。まずは、自分が用意する説明や機能に結び付く情報から考えてみてください。
Superhumanは、使っている人の支持理由から相手を整理した
メールアプリのSuperhumanでは、誰に強く支持されているかを、利用者の回答から整理した記録があります。創業者のRahul Vohra氏が2018年に公開した記事です。
調査では、直近2週間に少なくとも2回使った利用者を対象に、使えなくなったらどう感じるか、どんな人に役立つと思うか、主にどんな価値を得ているかなどを尋ねました。その回答から強く支持する層を探し、速さ、集中しやすさ、キーボード操作など、評価されている点を整理しています。創業者による利用者調査の解説(First Round Review)
ここで参考にしたいのは、実際に使った人の反応から、相手と価値の組み合わせを探すことです。自分が期待した便利さと、使った人が喜んだ点が違えば、紹介の仕方を考え直す材料になります。
ただし、メールアプリのように繰り返し使うものと、一度遊び切る短編ゲームでは、利用後に期待することが違います。「使えなくなったらどう感じるか」という質問や、調査の判定基準を、そのまま全作品に当てはめる必要はありません。短編ゲームなら、何を見て選び、どの場面を気に入ったかを聞く方法もあります。
「使いますか?」より、最近の具体的な経験を聞く
相手のことを考えても、まだ想像に頼っている部分は残ります。使ってくれた人がいれば、試すきっかけや、利用した場面を聞いてみます。
まだ利用者がいない場合は、想定する場面に近い経験をした人を探します。短編ゲームなら最近似た作品を選んだ人、画像ツールなら実際に画像を整える作業をしている人などです。未利用の人に聞いた話は、今の行動を知るための材料であり、自分の作品が評価された証拠とは分けます。
Y Combinatorも、初期の製品づくりでは利用者と直接話し、反応を受けて改善することを勧めています。YCの初期段階の事業づくりに関する助言
会話では、まず最近あったことを一つ聞き、選んだ理由や途中の手間を確かめます。「こんな機能があったら使いますか?」だけでは、好意的な返事が実際の利用につながるかは分かりません。例えば、次のように聞けます。
| 確かめたいこと | ゲームの質問例 | ツールの質問例 |
|---|---|---|
| 実際の場面 | 最近、短いゲームを遊んだのはいつですか? | 最近、画像の幅をそろえたのはどんな作業のときですか? |
| 選び方 | 何を見て、そのゲームを選びましたか? | そのときは何を使って作業しましたか? |
| 求めていたこと | 遊ぶ前に、どんな時間を過ごしたいと思っていましたか? | その作業を終えるために、何をそろえる必要がありましたか? |
| 良かった点・引っかかった点 | 気に入ったところや、合わなかったところはありましたか? | 今のやり方で便利な点、手間がかかる点はありますか? |
| 自作の作品を試した場合 | 紹介を見て期待したことと、遊んで感じたことは合っていましたか? | 今までの作業と比べ、変わった点はありましたか? |
全部を一度に聞く必要はありません。例えば、選んだ理由が気になるなら、「何を見て決めたか」から話を広げます。答えが出にくければ、質問の言い方を変えたり、その項目を飛ばしたりして構いません。
協力を頼むときは、何を知りたいのかを伝え、無理のない範囲で話してもらいます。相手の言葉を記事や紹介ページへ載せたい場合は、掲載してよい範囲を確認します。
今の代わりの手段を知ると、選ばれる理由が見えてくる
自分の作品を選んでもらうとき、相手はほかのゲームやツールだけを比べているとは限りません。架空の例を使って、今の選択肢を整理してみます。
| 利用場面 | 今の選択肢として考えられるもの | 自分の作品で確かめたいこと |
|---|---|---|
| 休日に短い物語を楽しみたい | ほかの短編ゲーム、動画を見る、以前買った作品を遊ぶ | どんな雰囲気や体験を求め、何を見て選んでいるか |
| 記事用の画像の幅をそろえたい | 今の画像編集ソフトで一枚ずつ直す、手元の別の方法を使う、作業を後回しにする | 今の方法で満足している点と、変えたい手間は何か |
今の方法が十分に使いやすければ、乗り換える必要を感じないこともあります。そこで初めて、「画像を処理できます」という説明だけで足りるかを考えられます。一枚ずつ画像を整える手間が減るのか、操作を覚えやすいのかなど、実際に提供できる違いを確かめます。
短編ゲームなら、機能の数より、どんな時間を楽しめるかが選ぶ理由になるかもしれません。聞いた相手が風景や音を気に入っていたなら、その感想は紹介する場面を選ぶ手掛かりになります。
他作品より優れていると広く言い切る前に、どの場面で、どんな違いを感じてもらえたかを記録します。まだ試してもらっていないことは、次に確かめる候補として残しておきます。
最初の相手は、聞いたことを基に仮決めする
相手の候補がいくつか浮かんだら、今の作品が提供できる価値と、聞けた話を照らし合わせます。例えば画像ツールで、「画像を扱う人」から「記事公開前に複数の画像を一枚ずつ整えている人」へ絞ると、説明すべき操作や使う場面が見えてきます。
最初は、紹介文や見せる画面を考える相手を一つ選びます。ほかの人にも使ってもらいながら、まずどの人の反応を確かめるかを決める、という進め方です。利用者が増えたり、別の用途が分かったりしたら見直せます。
少人数に聞いた結果だけで、多くの人に共通する需要まで確かめられたとは言えません。身近な人の話を出発点にする場合も、似た場面にいる別の人がどう選ぶかを、少しずつ確かめていきます。
メモは、聞いた事実と自分の解釈を分けると、次の確認に使いやすくなります。
| 分けて残すこと | 画像ツールでの架空の記入例 |
|---|---|
| 相手が話したこと・試して分かったこと | 記事の公開前に、画像を一枚ずつ同じ幅へ直していると聞いた |
| 自分が考えたこと | まとめて処理できると、その準備が楽になるかもしれない |
| 次に確かめること | 今のやり方と試作品を使い比べてもらい、手順や結果に違いがあるか聞く |
「良さそう」と言ってもらったことと、実際に利用したことも分けて記録します。合わなかった理由が分かれば、届け先を変えるか、説明や使い始めの手順を直すかを考えられます。
次の紹介文に使える一文へまとめる
ここまでのメモから、最初に届けたい相手を一文にします。書き方の例は、「どんな場面にいる人に、何を楽しんでもらう・何を済ませてもらう作品か」です。
架空の短編探索ゲームなら、「休日に短い物語を遊び切りたい人へ、風景を眺めながら探索する時間を届けるゲーム」。画像ツールなら、「記事を公開する前に画像を一枚ずつ整えている人が、複数の画像の幅をまとめてそろえるためのツール」と書けます。
この一文は、調べたり試したりするための仮の説明です。今の作品で提供できる内容と、相手に確かめた内容を見ながら書き直します。紹介文に使うときには、確認していない所要時間や効果を足さないようにします。
| 整理すること | 自分の作品でのメモ |
|---|---|
| 最初に届けたい相手と利用場面 | ____________ |
| その場面で楽しみたいこと・済ませたいこと | ____________ |
| 今は何を選び、どうしているか | ____________ |
| 実際に聞いたこと・試して分かったこと | ____________ |
| まだ想像していること | ____________ |
| 自分の作品が提供できる価値 | ____________ |
| 次に誰へ、何を確かめるか | ____________ |
| 相手と価値をまとめた一文 | ____________ |
まず一つの利用場面を選び、その経験がある人へ最近の話を聞いてみましょう。すでに利用者がいるなら、最初に試した理由を尋ねるところから始められます。次回の第4回:機能を並べても伝わらない。紹介文と画像を組み立てるでは、この一文を基に、紹介文と画像で何をどう伝えるかを考えます。
第2回:ゲームはどうユーザーに届いた? 成功事例から学ぶ3つの方法
顧客の理解を、マーケティング入門書で整理する
相手の利用場面や、選んでもらう理由をもう少し体系的に考えたい場合は、入門書を探す方法もあります。目次や試し読みで、顧客の理解、利用者への聞き取り、価値の伝え方を扱っているか確認してみてください。
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