実践ガイド

個人開発の「作る範囲」④:マップ・素材・画面を増やしすぎない工夫

個人開発の作る範囲 第4回「作る量を抑える工夫」

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新しい部屋を一つ作る。設定画面に項目を一つ増やす。それぞれは小さな追加に見えても、配置、説明、動作確認、修正が積み重なります。

第4回では、今回の体験に必要な場所と画面を先に決め、共通にできる部分を探します。第3回で試した中心の体験を、完成形に広げる段階の話です。数を減らすこと自体を目標にせず、その場所や画面で何をしてほしいかを考えます。

場所を増やす前に、そこで起きることを書く

第1回から使っている架空の探索ゲームは、小さな屋敷で手掛かりを使い、一つの謎を解いて結末を見る作品です。新しい部屋を考えたら、まず「そこで何を知り、何が変わるか」を書いてみます。

例えば書斎に手掛かりがあり、廊下に謎を解く扉があるとします。さらに物置を追加する案が出たとき、その部屋が探索の緊張を高める、重要な手掛かりを見つけるなど、どんな役割を持つか考えます。既存の部屋で同じ役割を果たせるなら、物置を後で検討する選択があります。

ただし、部屋を減らすと間合いや物語の流れが失われることもあります。単純に一か所に詰め込まず、実際に歩いて手掛かりの見つけやすさや雰囲気を確かめます。作っていない場面では、紙の間取りや仮の配置で流れを考えられます。

候補 役割の例 作る前に確かめること
書斎 謎を解く手掛かりを見つける 手掛かりを読める場所と、後で使う場面がつながるか
廊下 扉を見つけ、手掛かりを試す プレイヤーが戻れるか、変化に気付けるか
物置 新たな手掛かりや雰囲気を加える 書斎などに統合できるか、なくすと何が失われるか

これは設計例であり、実際のプレイテスト結果ではありません。

素材は「種類」だけでなく、使う場面と確認も数える

同じ机や扉を複数の場所で使えるなら、配置や色、周囲の小物で場面を変える方法があります。ただし、重要な扉と背景の扉が同じ見た目だと、調べられる場所が分かりにくいかもしれません。共通の見た目を使う場合も、操作できる対象や物語上の違いが伝わるか確認します。

素材を一つ追加すると、画像だけでなく、当たり判定、表示位置、画面サイズごとの見え方、説明文なども必要になることがあります。使用する場所と一緒に、何を確認するかを書いておくと、追加の負担を見積もれます。

外部素材を使う場合は、各素材の利用条件を確認し、必要な表記や改変の可否、再配布の条件を記録します。入手できたことだけで、どの用途にも使えるとは限りません。

『Factorio』の画面制作に見る、共通化の考え方

『Factorio』の開発ブログは、0.17に向けた画面制作について、画面の仕様書と、配置や見た目を示す画面案(モックアップ)を用意し、実装を確認する過程で、画面間のスタイルやコードをできるだけ共通化していると説明しています。また、レイアウトや基準の整備と再利用が進むにつれて、作業が加速するという開発側の見方も記されています。Factorio開発ブログ:GUI progress update

自作でも、同じ種類のボタンや確認メッセージを複数画面で別々に設計する前に、共通の形を使えるか考えられます。例えば、保存前の確認と変換後の通知で、何を伝え、利用者が次に何を選べるかをそれぞれ整理します。

Factorioはチームで進めた既存ゲームの画面改修であり、個人開発と条件は異なります。ブログの説明を、必ず同じ時間短縮が得られる根拠にはできません。また、見た目が似ていても、危険な操作の確認と通常の通知では、必要な説明や選択肢が異なります。

アプリの画面を、操作の流れで数える

画像の幅をそろえる架空のツールなら、画像を選ぶ、幅を指定する、変換し、保存結果を確認する流れが完成形です。この流れに沿って画面を並べ、各画面の目的を一文で書きます。

画面・状態 利用者が行うこと 考えること
画像選択・設定 対象の画像と幅を選ぶ 選択した画像と出力先が分かるか
保存前の確認 出力方法や上書きの有無を確認する 既存ファイルを失わないよう、必要な選択と説明があるか
処理結果 成功・失敗と保存結果を確認する 一部だけ失敗した場合も、対象と次の操作が分かるか

これらを必ず別画面にする必要はありません。同じ画面に表示する方法もあります。ただし、画面の枚数を減らすために、上書きの確認やエラーの説明を省いてはいけません。キーボード操作、読みやすさ、必要な設定も、想定する利用者が使えるかを確かめます。

追加する前に、小さな一覧を作る

候補を一つ選び、次の欄を埋めます。今作るかどうかに迷ったら、第2回の機能選びと照らしてください。

書き出すこと 自分の作品のメモ
追加したい場所・素材・画面 ________
誰がそこで何をし、何を得るか ________
既存の場所や共通部品で果たせること ________
共通化・削減で失われる体験や必要な情報 ________
作成、配置、確認、修正に必要な作業 ________
今回作る/小さく作る/後で検討する理由 ________
作ったあとに確かめること ________

例えば物置を後回しにするなら、書斎と廊下だけで謎の手掛かりが伝わるかを確かめます。画面をまとめるなら、保存の流れと失敗時の案内を実際にたどります。気付いた問題があれば、必要な場所や画面を戻すことも含めて見直します。

ゲーム制作の企画を本で学びたい方へ

ゲーム制作の企画やレベルデザインを扱う本は、場面ごとの役割や、素材・画面を組み立てる考え方を調べる手掛かりになります。自分の制作段階に合う内容か、目次や対象読者を確認してみてください。

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事例は2026年11月4日に開発ブログを確認しました。ゲームの実機検証、共通化による工数の実測、架空例の利用者テストは行っていません。


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