実践ガイド

個人開発の公開後⑤:公開後の記録を、次の作品に生かす

個人開発の公開後 第5回「公開後の記録を次の作品へ」

※本記事にはアフィリエイトリンク(広告)が含まれます。Amazonのアソシエイトとして、ゲームのタネは適格販売により収入を得ています。

公開と更新が一段落すると、次は何を作ろうかと考え始めます。ところが、前の作品で困ったことや、うまくいったことは、時間がたつと思い出せなくなります。次の作品で同じ迷いを繰り返すこともあります。

最終回では、公開後に集まった記録を整理し、次の作品で何を試すかを決め、公開前から反応を集める準備をするところまでを考えます。

記録が新しいうちに、振り返りを書く

この連載では、窓口に届いた報告、更新の内容、レビューの分類を記録してきました。更新が落ち着いたら、それらを一枚にまとめます。完璧な分析でなくて構いません。

振り返る項目 書く内容の例
多かった不具合 どの場面・環境で起き、公開前の確認で見つけられたか
多かった迷い 操作や説明で、つまずかれた場所
期待とのずれ 紹介と実際の内容が合わなかった点
気に入られた点 レビューや感想で繰り返し挙がった部分
時間がかかったこと 制作・確認・対応で、予定より長くかかった作業

数えられるものは件数も書きます。ただし、件数の多さがそのまま重要さを表すわけではありません。少数でもデータが消える問題は、一件でも重く扱います。

振り返りを、次の作品の「試すこと」に変える

振り返りは、反省の一覧で終わらせず、次の作品で具体的に変えることに書き換えます。

前の作品で分かったこと 次の作品で試すことの例
特定の環境での起動の問題が、公開後に見つかった 公開前に確認する環境を一つ増やす
最初の操作で迷う人が多かった 試作の段階で、初めての人に触ってもらう
短すぎるという声が多かった 紹介で遊べる長さの目安を伝える
報告の窓口が分かりにくかった 作品内に報告への案内とバージョン表示を入れる

表は説明用の例です。試すことは一つか二つに絞ります。全部を一度に変えると、何が効いたのか分からなくなり、作る範囲も広がりすぎます。範囲の決め方は「作る範囲」第1回に戻って考えられます。

Steam Playtestは、本編と分けて反応を集める仕組み

Steamworksのドキュメントによると、Steam Playtestは、開発者が実際のプレイヤーにテストしてもらうための無料の機能です。プレイテストは本編とは別のアプリとして扱われます。参加や離脱は本編のウィッシュリストに影響せず、プレイテストだけの参加者は本編のレビューを書けません。参加したいプレイヤーは本編のストアページから申し込み、開発者は参加者の受け入れ方や、テストを始める・止める・終える時期を管理できると説明されています。Steamworksドキュメント:Steam Playtest

これはSteamで配信を予定している場合の仕組みです。参加の申し込みは本編のストアページで受け付ける仕組みで、どの作品にも向くとは限りません。他の配布先でも、公開前の版を限られた人に遊んでもらう方法はあります。大事なのは、前の作品で公開後に分かったことを、次は公開前に確かめられるようにすることです。

前の作品とのつながりを残す

前の作品を遊んでくれた人は、次の作品を最初に知ってくれる可能性がある人です。前の作品の配布ページに、開発の近況や次の作品の告知を載せる場所を用意しておくと、関心を持った人がたどれます。

ただし、連絡先を集める場合は、何の連絡に使うかを明示し、配布先や各サービスの規約に従います。前の作品の利用者に、同意なく宣伝を送らないようにします。告知の続け方はマーケティング入門第7回も参考にしてください。

公開後の振り返りを一枚にまとめる

書き出すこと 自分の作品のメモ
多かった不具合と、見つけられたはずの確認 ________
多かった迷いと、その場所 ________
気に入られた点 ________
予定より時間がかかった作業 ________
次の作品で試すこと(一つか二つ) ________
公開前に反応を集める方法 ________
前の作品から次の作品へたどれる場所 ________

この連載では、公開直後の確認、不具合報告、更新の判断、レビューへの対応、そして次の作品への引き継ぎを考えてきました。公開は終わりではなく、次の作品を良くするための記録が始まる時点でもあります。最初の1週間の準備に戻りたいときは第1回を見てください。

振り返りとゲームデザインを本で学びたい方へ

ゲームデザインの本では、プレイテストや反応の記録から次の改善を選ぶ方法が載っているかを目次で確認してみてください。

Amazonでゲームデザインの本を探す(広告)

リンク先は書籍の検索結果です。特定の本を推薦するものではありません。価格、刊行年、対象読者を確認して選んでください。

Steamworksドキュメントは2026年11月8日に確認しました。表の例は説明用で、特定の作品の振り返りではありません。本記事でSteamworksの機能を実際に操作した検証は行っていません。


前回:第4回 連載目次

← 記事一覧・検索