実践ガイド

自作ゲームの3DモデルをBlenderで作る入門本|最初の1冊・買う順番・選び方

Blenderで作ったモデルをゲームに入れるまでの流れ

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はじめに:3Dの部屋は作れたのに、置く物が全部「ただの箱」

「UnityやGodotで3Dの部屋を作ってみた。でも置いてある机も鍵も宝箱も、全部ただの箱や円柱のまま。自分でモデルを作りたくてBlenderを入れてみたけれど、ボタンだらけの画面を見て閉じてしまった。本で勉強しようと思っても、Blenderの入門本は種類が多すぎて、どれがゲーム作りに合うのか分からない」

3Dのゲームを作り始めると、多くの人がここで止まります。無料の素材を使うのも立派な方法ですが、「この形の鍵がほしい」「自分の絵柄に合う家具がほしい」と思ったら、自分で作るほか、利用条件を確認した素材を使う、制作を依頼するといった方法もあります。結論から言うと、最初の1冊は「Blender 5.x対応」で「小物を最後まで完成させる作例」がある本を1冊だけ選べば十分です。キャラクターを動かす本は、小物を何個か作れるようになってからで間に合います。

この記事では、個人でゲームを作り始めた人が、自分のゲームに置く3DモデルをBlenderで作るための入門本を、選び方・買う順番・ゲームエンジンに入れるまでの流れで選ぶ方法を解説します。本の選び方のポイント、おすすめの4冊とその選び分け、作ったモデルをGodot/Unityに持っていくときの注意、最初に買わなくていいもの、よくある質問までまとめます。

📌 この記事の前提

  • Blenderは無料の3DCGソフトです。LTSは長期間サポートされる版のことです。最新版と対応状況は公式ダウンロードページで確認してください
  • ゲームエンジンは Godot 4.7 または Unity 6.3 を使っている(これから使う人も含みます)
  • 目標は「映像作品」ではなく、自分のゲームに置ける小物・背景・簡単なキャラクターを作ること
  • 本の価格は変わることがあります。本文では金額を書かないので、購入前に各店舗の商品ページで最新の表示をご確認ください

この記事で分かること

  • 動画だけでなく、入門本を1冊持っておくと楽になる理由
  • ゲーム作り向けにBlenderの本を選ぶときに見るポイント
  • 買う順番:1冊目で小物を完成 → エンジンに入れる → キャラクターの本へ
  • おすすめの4冊と、どれを選べばよいかの比較表
  • Godot/Unityにモデルを持っていくときのファイル形式と注意点

動画だけでもいいのに、なぜ本なのか

BlenderはYouTubeにも解説動画がたくさんあります。それでも1冊目は本をおすすめする理由は3つです。

  • バージョンがそろっている:Blenderは更新が速く、古い動画だとボタンの場所や名前が違って迷います。使う版に近い本なら画面を見比べやすくなります。ただし同じ5.xでも細かな表示が異なる場合があります
  • 順番が決まっている:動画は1本ずつ独立していることが多く、「次に何を覚えればいいか」が分かりにくいです。本は簡単な作例から順に積み上げるように作られています
  • 手元で開いたまま操作できる:Blenderはショートカットキー(キーボードの組み合わせで操作を呼び出す方法)を多く使います。紙の本を横に置いておくと、見返しながら手を動かせます

書籍によっては解説動画や作例ファイルが付いています。購入前に、それぞれの提供内容と利用条件を出版社の案内で確認してください。

先に結論:買う順番

  1. Blenderを公式サイトから入れる(無料):本を買う前に、まずパソコンで起動するか確かめます
  2. 1冊目を1冊だけ買い、小物を最後まで完成させる:楽しく短く進めたいなら『10日でBlender入門』、モデリングをていねいに覚えたいなら『ていねいに学ぶ Blender モデリング入門』、1冊で色付けや骨(ボーン)まで広く知りたいなら『Blender超入門 改訂3版』です
  3. 作った小物を自分のゲームに入れてみる:ここは本を増やさなくても、エンジンの公式ドキュメントで進められます(後半で流れを紹介します)
  4. キャラクターを作って動かしたくなったら2冊目:Unityを使っているなら『Blender+Unityで作る、動かす!』に進みます

予算をいちばん小さくしたいなら、1冊目だけで止めてかまいません。1冊を最後までやり切る方が、3冊を途中まで読むより確実に力がつきます。

Blenderで形・色・骨を作り、glTFやFBXで書き出してGodotやUnityに読み込むまでの流れと、本で身につける順番の図
Blenderで作ったモデルをゲームに入れるまでの流れと、本で身につける順番

ゲーム作り向けにBlenderの本を選ぶポイント

  • 「Blender 5.x対応」と書かれているか:Blender 4以前の本でも考え方は役立ちますが、メニューの場所が違うと初心者はそこで止まります。中古で安い旧版より、いまの版に合う本を選ぶ方が結果的に早いです
  • 作例が「完成」まで行くか:機能の辞典のような本より、家具や小物を1つずつ完成させる本の方が、ゲームに置く物を作る練習になります
  • 解説動画・作例ファイルがあるか:つまずいたときに、完成データと見比べたり、動画で手の動きを確かめたりできます
  • ゲームに必要な範囲に触れているか:ゲームで使うモデルには、形を作る「モデリング」だけでなく、画像を貼るための「UV展開」(立体の表面を平らに切り開く作業)や、キャラクターを動かすための「アーマチュア(ボーン)」が必要になることがあります
  • ページ数は多ければいいわけではない:厚い本は内容が広い分、最後までやり切るのに時間がかかります。続けられる自信がなければ、薄めで楽しい作例の本から始めます

1冊目:小物を完成させながら操作に慣れる本

ここでは、Amazon.co.jpが販売・発送している(記事作成時点)、Blender 5対応の入門本を3冊紹介します。どれも完全な初心者向けです。違いは「作例の雰囲気」と「どこまで扱うか」です。

『10日でBlender入門 5.x対応増補改訂版』:楽しく短く始めたい人向け

10日でBlender入門 5.x対応増補改訂版 表紙
(画像:Amazon.co.jp 商品ページより)

著者はM design氏、出版社はインプレスで、2026年6月23日発売、240ページです。商品ページの説明によると、10日間でミニチュアルームを作りながら、Blenderの基本操作やショートカットキーを使ったモデリングを学ぶ本です。スイーツや家具、クマのキャラクターなどを1日1個ずつ作っていく構成で、5.x対応の改訂で色のアレンジ方法やアニメーションの解説が追加されています。購入者限定の操作解説動画も付いています。

「本当によく使う機能だけに絞って紹介」と説明されているとおり、Blenderの画面に慣れることを最優先にしたい人に向いています。ミニチュアの家具や小物は、そのまま3Dの部屋ゲームの小道具づくりの練習になります。

Amazonで見る:10日でBlender入門 5.x対応増補改訂版

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楽天市場で見る:10日でBlender入門 5.x対応増補改訂版(楽天ブックス)

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『[改訂版]ていねいに学ぶ Blender モデリング入門[Blender 5対応]』:モデリングをていねいに覚えたい人向け

[改訂版]ていねいに学ぶ Blender モデリング入門[Blender 5対応] 表紙
(画像:Amazon.co.jp 商品ページより)

著者はウワン氏、出版社はマイナビ出版で、2026年2月18日発売、376ページです。商品ページの説明によると、2022年の『ていねいに学ぶ Blender モデリング入門[Blender 3対応]』をBlender 5対応にした改訂版で、Blender 5.0完全対応とされています。インストールと初期設定から始めて、5つのシンプルな作例でいろいろなモデリング方法に触れ、マテリアル(色や質感の設定)、ライティング、レンダリング、そしてモデルの出力までを扱います。作例ファイルのダウンロードと解説動画も付いています。

手順ごとに図を追いながら進める構成なので、「なぜこの操作をするのか」を落ち着いて理解したい人や、一度Blenderで挫折した人に向いています。

Amazonで見る:[改訂版]ていねいに学ぶ Blender モデリング入門[Blender 5対応]

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『はじめての3Dモデリング Blender超入門 改訂3版』:1冊でゲームに要る基礎まで広く知りたい人向け

はじめての3Dモデリング Blender超入門 改訂3版 表紙
(画像:Amazon.co.jp 商品ページより)

著者は富元秀俊氏・大澤龍一氏、出版社はソシムで、2026年6月8日発売、496ページです。商品ページの説明によると、Blender 5に完全対応した改訂版で、小さな部屋や北欧風の家具、キツネのキャラクターを作りながら学びます。目次には、モデリングの基本、家具や部屋、マテリアル設定とUV展開、テクスチャ、キャラクターのモデリング、キャラクターを動かす(アーマチュア)、ライティングとレンダリングが並んでおり、説明の中でもゲーム制作が活用先の1つとして挙げられています。

ページ数が多い分、この1冊で「色を貼る」「骨を入れて動かす」まで一通り触れておきたい人に向いています。ゲームに入れる前に必要になりやすいUV展開とボーンを、1冊目のうちに体験できるのが強みです。

Amazonで見る:はじめての3Dモデリング Blender超入門 改訂3版

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2冊目:キャラクターを作ってUnityで動かす本

『Blender+Unityで作る、動かす! 3Dキャラクター制作実践ガイド』:小物に慣れたUnityユーザーの次の1冊

Blender+Unityで作る、動かす! 3Dキャラクター制作実践ガイド 表紙
(画像:Amazon.co.jp 商品ページより)

著者は「0から始めるblender生活」氏、出版社はマイナビ出版で、2025年7月28日発売、472ページです。商品ページの説明によると、Blenderでのキャラクターモデリングから、ゲームエンジン「Unity」でのセットアップ、アニメーションまでの工程を、VTuberやVRChat対応のアバター系キャラクターの制作を通して解説する本です。スキニングやウェイト調整(骨の動きに合わせて体がどう曲がるかを決める作業)の効率化など、基本から一歩踏み込んだ内容も含まれます。

説明に「Blenderの基本操作には慣れてきたので、次はキャラクター制作に挑戦したい」人向けと書かれているとおり、1冊目の代わりではなく2冊目です。また2025年発売のため、いまのBlender 5.2とは画面の見た目が違う場所があるかもしれません。Godotを使っている人は、モデリングの部分は参考になりますが、Unityでのセットアップの章は自分のエンジンに置き換えて読む必要があります。

Amazonで見る:Blender+Unityで作る、動かす! 3Dキャラクター制作実践ガイド

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比較表:どれを選べばよいか

本 向いている人 対応版(商品ページの記載) ページ数 ゲームにつながる内容
10日でBlender入門 5.x対応増補改訂版 楽しく短く操作に慣れたい Blender 5.x 240 ミニチュアの家具・小物、簡単なアニメーション
ていねいに学ぶ Blender モデリング入門[Blender 5対応] 理由まで理解しながら進めたい、一度挫折した Blender 5.0 376 いろいろなモデリング方法、マテリアル、モデルの出力
はじめての3Dモデリング Blender超入門 改訂3版 1冊で広く基礎を押さえたい Blender 5 496 UV展開・テクスチャ、キャラクター、アーマチュア
Blender+Unityで作る、動かす! 3Dキャラクター制作実践ガイド 基本操作に慣れた、Unityでキャラを動かしたい 記載なし(2025年7月発売) 472 キャラクター制作、Unityでのセットアップ・アニメーション

迷ったら、作例の見た目で「作ってみたい」と思える方を選んでください。最後までやり切れるかどうかは、作例を好きになれるかで大きく変わります。

作ったモデルをGodot/Unityに入れるときの注意

本で小物が作れるようになったら、自分のゲームに置いてみましょう。ここで多くの人がつまずくのは、「どの形式で書き出せばいいか」と「向きや大きさが変わる」ことです。

  • Godot 4.7:公式ドキュメントでは、Blenderからの書き出しはglTF 2.0(.glbまたは.gltf)が推奨とされています。.glbは形や画像などを1つのファイルにまとめて保存できる形式です。Blenderをパソコンに入れておけば、.blendファイルをそのまま読み込むこともできます
  • Unity 6.3:公式マニュアルでは、.fbx形式をできるだけ使うことが推奨されています。.blendファイルも読み込めますが、そのプロジェクトを開くパソコンすべてにBlenderが入っている必要があります
  • 向き:Blenderは上方向がZ軸、GodotやUnityはY軸です。書き出しの設定で変換されることが多いですが、置いたモデルが横倒しになっていたり、後ろを向いていたりしないか確認してください。Godotの公式ドキュメントでは、キャラクターなど向きのあるモデルは、Blenderの-Y方向を正面にする決まりが説明されています
  • 大きさ:エンジンでは1単位をおよそ1メートルとして扱うことが多いです。Blenderでも実際の大きさに近いサイズで作っておくと、置いたときに巨大になったり豆粒になったりしにくくなります
  • 当たり判定は別:見た目のモデルを置いただけでは、ぶつかったりクリックで反応したりしません。当たり判定(コライダー)は、エンジン側で付けます。Unityでレイ(光線)を使ってクリックした物を調べる方法は、3Dの1部屋から脱出を完成させる|Unityで学ぶカメラとレイで紹介しています

最初に買わなくていいもの

  • Blenderの本を何冊もまとめて:1冊目を終える前に2冊目を開くと、作例が中途半端なまま終わりがちです。キャラクターの本は、小物を何個か完成させてからで十分です
  • 古い版の中古本:安くても、Blender 2.8や3の頃の本は画面が今とかなり違います。考え方の参考にはなりますが、1冊目には向きません
  • スカルプトや映像(VFX)の専門書:粘土のように形を盛る「スカルプト」や映像合成の本は面白いですが、ゲームに置く小物づくりからは少し遠回りです
  • 液晶ペンタブレット:モデリングはマウスとキーボードで十分できます。ペンが活きるのはスカルプトやテクスチャを手描きする段階からです。入力機器の選び方は2D・ドット絵の入力デバイスの選び方も参考にしてください
  • 高価な有料アドオン:アドオンは機能を追加する拡張です。便利なものも多いですが、基本操作が身につく前に入れると、本の手順と画面が合わなくなることがあります

よくある質問

Q. ノートパソコンでテンキーがありません。本の手順どおりにできますか。

A. Blenderは視点の切り替えなどにテンキーをよく使います。Blenderの公式マニュアルによると、設定(Preferences)の入力(Input)にある「Emulate Numpad(テンキーを模倣)」をオンにすると、普通の数字キーをテンキーの代わりに使えます。ホイールのないマウスやタッチパッドの場合は、同じ画面の「Emulate 3 Button Mouse(3ボタンマウスを模倣)」で、Altキーと左クリックを中ボタンの代わりにできます。ただ、ホイール付きのマウスが1つあると、視点の操作はかなり楽になります。

Q. 私のパソコンでBlenderは動きますか。

A. 本を買う前に、公式サイトから無料のBlenderを入れて起動してみるのが確実です。動作が重いと感じたら、ノートPCの最低ラインやUnity/Godotが重いときのメモリ増設も参考にしてください。

Q. Godotを使っています。『Blender+Unityで作る、動かす!』は役に立ちますか。

A. Blenderでキャラクターを作る部分は、エンジンに関係なく参考になります。ただしUnityでのセットアップやアニメーションの章はUnity向けなので、Godotでは公式ドキュメントを見ながら置き換える必要があります。Godotだけで進めるなら、まずは1冊目の3冊のどれかで小物を作り、glTFで書き出してGodotに置くところまでを目標にするのがおすすめです。

Q. 紙の本と電子書籍、どちらがいいですか。

A. Blenderの画面と本を同時に見るので、画面が1つしかない人は紙の本の方が見やすいです。電子書籍にする場合は、タブレットやサブモニターに表示しておくと楽です。サブモニターの選び方は狭い机でも作れる。個人ゲーム開発の最小デスク環境で紹介しています。

Q. プログラミングの本と、どちらを先に読むべきですか。

A. ゲームを1本完成させることが目標なら、先にエンジンの使い方を覚え、箱や円柱で遊べる形を作ってから、Blenderで見た目を置き換える順番がおすすめです。エンジンの本は公式チュートリアルの次に読む本で紹介しています。

まとめ

  • 最初の1冊は「Blender 5.x対応」で、小物を最後まで完成させる作例がある本を1冊だけ選ぶ
  • 楽しく短く始めるなら『10日でBlender入門』、ていねいに理解するなら『ていねいに学ぶ Blender モデリング入門』、UV展開やボーンまで広く知るなら『Blender超入門 改訂3版』
  • 小物が作れたら、Godotなら推奨のglTF、UnityならFBXで書き出し、向き・大きさ・当たり判定を確認する
  • キャラクターをUnityで動かしたくなったら、2冊目に『Blender+Unityで作る、動かす!』
  • 本を何冊も一度に買わず、1冊をやり切ってから次へ進む

「全部ただの箱」の部屋に、自分で作った鍵や机が1つ置かれるだけで、ゲームの見え方はがらりと変わります。まずは1冊、1個の小物から始めてみてください。

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参考

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