制作記

AIにRPGツクールUNITEを操作させて、10分ミニRPGを作る【5】テストプレイと書き出し

10分ミニRPGをAIでつくる記事のアイキャッチ。村から洞窟へ向かう冒険者のイラスト。

2026-10-25

前回は、洞窟の通常戦闘とボス戦、長老のエンディングまで作りました。今回は、戦闘後処理を修正したデバッグ用Windowsビルドでメインルートを確認し、通常版を書き出した記録を整理します。画面操作はAI(Claude)が行い、出力先フォルダの作成とゲームの起動は私が担当しました。

「10分」は制作時の目標です。人が遊んだ場合の所要時間は、この時点では測定していません。通し確認は修正後のデバッグ用ビルドで行い、最終exeは起動とタイトル画面まで確認した記録です。書き出し版の戦闘後にイベントが進まない問題に対し、制作記録ではMapManagerの復帰処理をコード修正しています。担当者、完全なファイルパスと差分は確認できず、修正手順は再現できません。

1. デバッグ用ビルドでメインルートを確認する

テストプレイとは、ゲームを実際に動かして確かめることです。UNITEでは、画面左上のツールバーにある再生ボタン(▶)で始めます。もう一度押すと止まります。

木の撤去と開始位置の修正後、修正後のデバッグ用WindowsビルドでメインルートをAIが1回通して操作した記録があります。途中で部分テスト・修正・書き出しを繰り返しており、木の撤去は次の節で説明します。通しで確認した流れは、次のとおりです。

  1. タイトル画面でニューゲームを選び、村から始める
  2. 長老に話しかける(最初のセリフ)
  3. 東の道を通って洞窟へ行く
  4. 洞窟で通常の戦闘に勝ち、ボスを倒す
  5. 経験値が入り、クラフトがレベルアップする
  6. 出口から村へ戻り、長老に話しかけて、エンディングを見る
  7. タイトル画面に戻る

宝箱と宿屋は第3回で個別に確かめたもので、今回のメインルートの通し確認には入れていません。したがって、ここでいう「通し確認」は全機能を確認するテストではありません。なお、ボスを倒すとその場では消えますが、洞窟を出てもう一度入ると復活します。

ゲームの開始位置は、村の(5, 10)です。初期配置でプレイヤーの位置を決めています。テストプレイを始めると、まずタイトル画面が出ます。「ニューゲーム」を選ぶと、村から始まりました。

画像40:タイトル画面
画像40:タイトル画面
画像41:ニューゲームで村から始まった画面
画像41:ニューゲームで村から始まった画面

通して遊んで、時間を測る

AIの操作で、タイトルからエンディングまで通して遊ぶと、おおよそ9〜10分かかりました。ただし、AIのキー入力は、人の操作より遅く、画面を確かめながら進める待ち時間も含みます。人が遊ぶ時間は測定していないため、4〜6分という予想は掲載しません。

記事4で出口付近の空イベントを1件削除したあとも、同じ種類のイベントが残っていないかを確認する必要がありました。この通しテストでは、出口付近を再確認し、メインルートを進められる状態を確認しました。ただし、マップ全体の空イベントを洗い出したわけではありません。

開始位置が宿屋の中になっていた

途中のテストプレイで、ゲームが村ではなく宿屋の中から始まったことがありました。古い初期配置が残っていたのが原因でした。初期配置を設定し直して解決しました。マップをいくつか作ったあとは、開始位置がどのマップになっているかを確かめるのをおすすめします。

2. 道をふさいでいた木を消す

村東側の道に、木が1本あって道をふさいでいました。洞窟へ行く道なので、このままだとゲームが進みません。木は(14, 9)にありました。

消しゴムが効かなかった

マップ編集で消しゴムを使っても、最初は木が消えませんでした。レイヤーA、B、Cで試しても同じです。

消しゴムは、今選んでいるレイヤー(タイルを重ねて置く層)にだけ効くようです。この木はレイヤーDに置かれていました。Dを選んで消しゴムを使うと、木が消えました。

「消えないときは、レイヤーを変えてみる」を覚えておくと、このエディタでは助かります。

小さな道の切れ目が残った

木を消したところ、木のあったマスは草地のままで、道に小さな切れ目が残りました。見た目だけの未完成点です。今回は直していません。

画像44:木を消したあとの東側の道
画像44:木を消したあとの東側の道

3. Windows用に書き出す

最後は、エディタを開かなくても遊べるように、ゲームをファイルとして書き出します。この作業を「ビルド」と呼びます。

ビルド設定を確かめる

UNITEのツールバーからビルド設定を開き、次のように確認しました。

  • プラットフォーム: Windows
  • アーキテクチャ: Intel 64-bit
  • シーン: 4つ(タイトル、マップ、バトル、ゲームオーバーの各画面です)
画像42:ビルド設定の画面
画像42:ビルド設定の画面

出力先のフォルダでつまずいた

ビルドを始めると、書き出すフォルダを選ぶダイアログが出ました。ここでAIがつまずきました。フォルダ名を入力することも、新しいフォルダを作ることもできませんでした。

ここは私が手を貸しました。プロジェクトフォルダの中に「Build」というフォルダを、自分で作りました。そのフォルダを選んで、ビルドを続けました。出力先は、次のとおりです。

C:\UniteProjects\MiniRPG\Build

先にフォルダを用意しておくと、このダイアログで悩まずに済むと思います。

ビルドを実行する

最初に書き出したときは、55秒で「Succeeded」(成功)と表示され、exeファイルを開くと、エディタを使わずにタイトル画面が表示されました。そのあと洞窟の戦闘や長老のエンディングを作り足し、もう一度ビルドしました。2回目は完了まで数分かかりました。

修正後のデバッグ用ビルドでは、タイトルからエンディングまで確認した記録があります。一方、書き出し版は起動してタイトル画面が表示されるところまでの確認です。追加した内容を最後まで遊べるかは未確認なので、完成版の動作としては断定しません。どちらも、ビルドしたのと同じパソコンで確認しただけで、他のパソコンでは試していません。

画像45:書き出したゲームを起動した画面
画像45:書き出したゲームを起動した画面

4. ゲーム配布前に確認すること

この記事の公開と、ゲームファイルの配布は別です。ゲームを人に渡す前に、必ず確かめることがあります。ベースにした素材は、RPGツクールUNITEに付いてくるものなので、使い方の条件があります。

  • 素材の使用条件: ゲームに組み込んで配布してよいか。素材ごとの条件を、提供元の規約で確認します。
  • クレジット表記: ゲームやサイトに、素材の提供元を書く必要があるか。必要な場合の書き方も確認します。
  • スクリーンショットの掲載: 編集画面や素材画像を記事に載せてよいかを確認します。

現時点では、素材の提供元の規約とRPGツクールUNITE本体の利用規約を全文確認できていません。ゲーム配布や素材の利用可否は、RPG MAKER UNITE公式の利用規約と各素材の条件を確認してから判断してください。この記事では、規約を根拠に配布可能とは断定しません。

5. 全体の振り返り

この連載では、次の内容を作りました。

  • 村のマップを作り、家を建てる
  • 宝箱、長老との会話、家の出入り口を作る
  • 洞窟に通常の戦闘とボス戦を作り、レベルアップと長老のエンディングを足す
  • 修正後のデバッグ用ビルドでメインルートをタイトルからエンディングまで通して確認する
  • Windows用にビルドし、書き出し版をタイトル画面まで起動する

一方で、未完成の点や注意点もあります。

  • 絵などの素材や、タイトル画面(「Unite Quest」)は、UNITEに付いてくるものをそのまま使っています。
  • 2軒目の家の扉や、村の道の小さな切れ目は、直していません。
  • 洞窟の2つ目の戦闘は、避けて通れることがあり、直していません。
  • メインルートの通し確認は、AIの操作による1回だけで、9〜10分でした。人が遊ぶ時間は測っていません。
  • 書き出し版で、作り足した内容まで遊べるかは、確認していません。

この連載では、エディタ上の画面操作をAIに任せました。うまくいったところと、うまくいかなかったところは、次のとおりです。

今回うまく進んだ作業今回つまずいた作業
マップ上のタイルを並べる、座標を指定してイベントを置くなどの作業フォルダを選ぶダイアログでの入力やフォルダ作成
設定を順番にこなすことゲームのバランス(敵の強さ)を見抜くこと
スクリーンショットを残しながら進めること画像の設定やレイヤーといった、画面から分かりにくい決まりごと、ゲーム画面のフォーカスやキー入力の指定

今回作ったのは、長老に頼まれて洞窟へ行き、ボスを倒して報告する小さなゲームです。メインルートの通しは修正後のデバッグ用ビルドで確認した記録があります。エディタの基本的な流れ(マップ、イベント、戦闘、書き出し)も一通り確認できました。

この連載はここで終わりです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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