制作記

AIにRPGツクールUNITEを操作させて、10分ミニRPGを作る【4】洞窟とボス戦

10分ミニRPGをAIでつくる記事のアイキャッチ。村から洞窟へ向かう冒険者のイラスト。

2026-10-25

前回は、宝箱、長老との会話、家の出入り口を作りました。今回は村の東に洞窟をつなぎ、通常戦闘とボス戦を追加します。画面操作はAI(Claude)が行い、私は指示と動作確認を担当しました。

「北の洞窟」はマップ名です。村からは東の道を通って入ります。

今回のゴールは、洞窟に通常戦闘とボス戦を置き、倒したあとに長老へ報告する流れを作ることです。この回は、戦闘バランスの調整も行いました。

注意: この版では、ボスを「イベントの一時消去」で消しています。洞窟に入り直すとボスは復活します。長老のエンディング用スイッチとは別の問題で、ボス撃破状態は保存していません。

制作記録によると、書き出し版では戦闘後にイベントが進まない問題があり、MapManagerの復帰処理をコード修正しています。担当者、完全なファイルパスと差分は確認できず、修正手順は再現できません。通し確認は修正後のデバッグ用ビルドで行われました。

1. 洞窟のマップを作る

洞窟のマップは、サンプルマップをコピーして「北の洞窟」という名前にしました。サイズは34×40マスで、村のマップ(17×13マス)よりだいぶ大きいです。タイルも、サンプルのものをそのまま使っています。

村と洞窟は、移動イベントでつなぎました。前回の宿屋と同じやり方です。

  • 村東側の道の端(16, 9)に「簡単イベント」の「移動」を置き、洞窟の入口(24, 36)へ移動させる。途中の木(14, 9)が道をふさいでいますが、これは次回で消します。
  • 洞窟から村へ戻る出口は、このあとの章で作る
画像31:洞窟のマップ全体
画像31:洞窟のマップ全体

2. ボスのイベントを置く

ボスも、長老と同じ「イベントの新規作成」で作りました。洞窟マップに置きました。最終的な位置は、あとの見出しで説明します。

最初に画像を設定する

前回の経験を踏まえ、今回は先に画像を設定しました。ボスの見た目は「獣人」です。戦う相手は、次の項目で敵グループとして指定します。

「戦闘の処理」で敵を決める

イベント実行内容のコマンドで、「戦闘の処理」を選びます。このコマンドは、コマンド一覧から選べます。ここで戦う敵のグループを指定します。ボスは、話しかけて決定ボタンを押すと戦闘が始まる設定です。「逃走可」と「敗北可」は、どちらもチェックを入れていません。最終的に選んだのは、「ゴブリン×2」のグループ(0002)です。ここに至るまでに一騒動ありました。このあとの見出しで書きます。

画像32:ボスイベントの設定画面
画像32:ボスイベントの設定画面

この画像は移動前の座標(24, 33)を表示しています。最終的な位置は、後述する(20, 16)に変更しました。

画像33:洞窟の中のボス
画像33:洞窟の中のボス

3. 戦闘バランスで大失敗した話

この回いちばんのつまずきです。ボスらしい見た目にしたくて、AIは最初に強そうな敵を選びました。

ドラゴンとスライムは強すぎた

テストプレイでドラゴンやスライムのグループと戦うと、初期のパーティでは太刀打ちできませんでした。スライムの攻撃ですら、約1129ダメージを受けました。このゲームは10分で遊べるミニRPGを目指しているので、長くレベル上げをさせるわけにもいきません。

強すぎたのは、敵の強さを確認せずに選んだためです。名前や見た目から強さは分かりません。

ゴブリン×2なら勝てた

いろいろ試した結果、ゴブリン2体のグループで、初期パーティが勝てることが分かりました。ボスとしては地味ですが、ミニRPGはこれで十分です。

画像34:ゴブリン×2との戦闘開始
画像34:ゴブリン×2との戦闘開始
画像35:コマンド選択の画面
画像35:コマンド選択の画面

ボスの位置を決める

もう一つ、洞窟が広すぎました。ボスを一番奥に置くと、そこまでかなり歩かされてしまいます。そこで、入口(24, 36)から北へ20マス、西へ4マスの(20, 16)に置きました。最初は(24, 33)に置いていましたが、道中に通常戦闘を置くことにしたため、位置を変えました。イベントの位置は、右側のパネルの「位置」欄にXとYの数字を入力して変更できます。

4. 倒したあとの流れを作る

ボスを倒して終わりではありません。倒したあとにボスが消え、村へ戻れるようにします。

ボスを消す

ボスのイベントの「戦闘の処理」のあとに、次のコマンドを続けました。

  1. 「文章の表示」: 「魔物を倒した! 村に平和が戻った。」
  2. 「スイッチの操作」: 0001番のスイッチをONにする(長老の反応を変えるために使います。あとの章で説明します)
  3. 「イベントの一時消去」

「イベントの一時消去」も、コマンド一覧から選べます。これを入れると、ボスがその場ではマップから消えます。ただし一時的な消去なので、マップを出入りすると復活します。テストプレイでは、ボスを倒した直後に消えることを確認しました。

画像36:勝利の画面
画像36:勝利の画面
画像37:ドロップ
画像37:ドロップ
画像38:「魔物を倒した!」の表示
画像38:「魔物を倒した!」の表示
画像39:ボスが消えた直後の画面
画像39:ボスが消えた直後の画面

村へ戻る出口を置く

洞窟の入口(24, 36)から下に2マスの(24, 38)に、「簡単イベント」の「移動」を置き、村のマップの(15, 9)へ戻すようにしました。これで、村へ戻る出口が置けました。テストプレイで、出口から村東側の道の端へ戻れることを確かめました。

原稿作成時のテストでは、出口から村東側の道の端へ戻れることを確認しました。撮影した設定画面にはエラー表示が残っていたため、公開版では掲載していません。公開前に、出口の移動とエラーの有無をもう一度確認してください。

5. 洞窟に通常の戦闘を置く

ボスとの戦闘が1回だけでは、ゲームとして物足りません。そこで、ボスの手前に通常の戦闘を2つ置き、レベルアップも確かめることにしました。

戦闘イベントを2つ置く

ボスと同じ「イベントの新規作成」で、洞窟の通り道に戦闘イベントを2つ置きました。見た目はスケルトンの画像です。

  • (22, 27): 敵グループ「ゴブリン」(グループ0001)
  • (20, 23): 敵グループ「ノーム、ゴブリン」(グループ0004)

起動条件は、決定ボタンで始まるボスと違い、「プレイヤーから接触」にしました。近づくだけで戦闘が始まります。どちらも「戦闘の処理」のあとに「イベントの一時消去」を続けています。

ただし、2つ目の戦闘は、道の通り方によっては避けて通れてしまいました。ここは直していません。

経験値を上げてレベルアップさせる

戦闘に勝つと経験値が入ります。このプロジェクトの初期パーティは4人だったため、今回のテストでは経験値が4人に分かれて入りました。最初の設定のままだと、ゴブリン2体のボスを倒しても、1人あたりの経験値は2しかなく、レベルアップしませんでした。主人公のクラフトが次のレベルに上がるには、21の経験値が必要でした。

そこで、データベースの「バトルの編集」の「敵キャラ」で、ゴブリンとノームの経験値を4から60に変えました。変更後、戦闘に勝つと、主人公のクラフトがレベル2になる表示を確認しました。

なお、60という値は、短いゲームでレベルアップを見せるための調整です。バランスとして適切かどうかは、検証していません。

画像47:レベルアップの表示
画像47:レベルアップの表示

6. 長老の反応を変えてエンディングにする

テストプレイをしていて、気づいたことがありました。ボスを倒して長老に話しかけても、倒す前と同じセリフが返ってきます。ストーリーとして不自然なので、直すことにしました。

スイッチで「倒した」を覚えさせる

「スイッチ」は、ゲームの中のON/OFFの目印です。ボスを倒したら0001番のスイッチをONにし、長老のイベントでその状態を調べるようにしました。

  • ボスのイベント: 「戦闘の処理」のあとに、「スイッチの操作」で0001番をONにする(前の章のとおりです)
  • 長老のイベント: 「分岐設定」で、0001番がONかどうかによって、セリフを分ける

イベントのページを切り替える方法もありますが、今回触った画面では、その設定が見つかりませんでした。そのため、「分岐設定」を使っています。

長老のセリフは、次のとおりです。

  • ONのとき: 「おお、魔物を倒してくれたか! おかげで村に平和が戻った。ありがとう、旅の人。」、続けて「こうして、小さな村に平和が戻った。― おわり ―」と表示し、「タイトル画面に戻す」を実行する
  • それ以外のとき: これまでどおり、「ようこそ、旅の人。北の洞窟に魔物が出る。倒してくれんか。」

テストプレイで、ボスを倒してから長老に話しかけると、セリフが変わり、エンディングのあとにタイトル画面へ戻ることを確認しました。

分岐設定とエンディングの画面は未撮影のため、ここでは設定内容を文章で記録しています。

7. AIのつまずき

  • 強すぎる敵を選んだ: 名前や見た目だけで敵を選ぶと、バランスが崩れることが分かりました(「戦闘バランスで大失敗した話」の見出し)。
  • 洞窟のマップが広すぎた: 10分で遊べるゲームには大きすぎました。ボスは最奥ではなく途中の(20, 16)に置き、道中に戦闘を2つ置いて対応しました。
  • 主人公が動かないと勘違いした: 洞窟でテストプレイをしたとき、主人公が動かないように見えました。原因は、ゲームではなく、AIのキー入力の指定と、ゲーム画面をクリックしていなかったことでした。クリックしてからキーを送り直したところ、正常に歩けました。
  • ボスは、入り直すと復活する: 「イベントの一時消去」は一時的に消すだけです。洞窟を出て入り直すと、倒したはずのボスがまた現れます。ボス撃破状態を保存する処理は、今回の連載では作っていません。
  • 戦闘イベントを歩けない場所に置いた: 最初のスケルトンを、歩いて行けない草地に置いてしまいました。通路の(22, 27)へ移して解決しました。
  • レベルアップが起きなかった: ボスを倒しても経験値が少なく、レベルアップしませんでした。敵の経験値を上げて対応しました(「経験値を上げてレベルアップさせる」の見出し)。
  • 空のイベントが出口をふさいだ: マップ上で操作を間違えて、中身のない空のイベントができていました。洞窟の出口の手前(24, 37)に残ったものが、パーティの通り道をふさぎ、洞窟から出られなくなりました。原因を探して1件削除しましたが、同じ原因の空のイベントをマップ全体から洗い出したわけではありません。最終状態の確認は第5回で行います。

8. 次回予告

次回は最終回です。メインルートを通して遊び、Windows用に書き出します。エディタ内の確認と、書き出し版の確認を分けて記録します。

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