実践ガイド

自作ゲームのドット絵を描けるようになる入門本|最初の1冊・買う順番・選び方

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はじめに:ゲームは動いたのに、キャラが「四角い箱」のまま

「GodotやUnityで、ボタンを押すと動くところまでは作れた。でも主人公も敵もアイテムも、まだ色をつけた四角のまま。ドット絵なら自分でも描けそうだと思ってツールを開いたけれど、16×16のマス目を前に、どこから点を打てばいいのか分からない」

2Dのゲームを作り始めると、多くの人がここで手が止まります。無料の素材を使うのも立派な方法ですが、「自分のゲームだけの主人公がほしい」と思ったら、描き方を一度きちんと覚えるのが近道です。結論から言うと、最初の1冊は「小さなモチーフを1つずつ完成させる本」を1冊だけ選べば十分です。キャラクターや背景の本は、小物を何個か描けるようになってからで間に合います。

この記事では、個人でゲームを作り始めた人が、自分のゲームに使うドット絵(ピクセルアート)を描けるようになるための入門本を、選び方・買う順番・ゲームエンジンに入れるときの注意で選ぶ方法を解説します。

📌 この記事の前提

  • ドット絵とは、小さな四角(ピクセル)を1つずつ並べて描く絵のことです。ピクセルアートとも呼ばれます
  • ゲームエンジンは Godot 4.7 または Unity 6.3 を使っている(これから使う人も含みます)
  • 入力はマウスでも始められます。ペンタブレットとの比べ方は2D・ドット絵の入力デバイスの選び方で解説しています
  • 本の価格は変わることがあります。本文では金額を書かないので、購入前に各店舗の商品ページで最新の表示をご確認ください

この記事で分かること

  • 動画だけでなく、入門本を1冊持っておくと楽になる理由
  • ゲーム作り向けにドット絵の本を選ぶときに見るポイント
  • 買う順番:小物 → ゲームに置く → キャラと風景 → 背景
  • おすすめの3冊と、どんな人に合うか
  • 描いたドット絵をGodot/Unityに入れるときに、絵がぼやけないための設定
  • 最初に買わなくていいもの、よくある質問

なぜ入門本を1冊持つと楽になるのか

ドット絵の描き方は、動画やSNSでもたくさん見られます。ただ、動画は「上手な人が速く描く様子」を見るものが多く、初めての人は何を見ればいいのか分からないまま終わってしまうことがあります。

本は、1つのモチーフを「輪郭 → 色 → 影 → 光」のように順番に分けて見せてくれます。手元に開いておけば、自分のペースで止めながら1点ずつまねできます。分からなくなったときに同じページへ戻れるのも、本の良いところです。

ゲーム作り向けにドット絵の本を選ぶポイント

見るところ 理由
小さいサイズの作例がある ゲームのアイテムやキャラは16×16〜32×32ピクセル程度の小ささで描くことが多いからです
手順が途中の絵つきで載っている 完成絵だけでは、どこから点を打てばいいのか分からないからです
使うツールが無料で試せる 本と同じツールを使うと、画面を見比べながら進められます
キャラ・背景のどちらを学ぶ本か 作りたいゲームに近い方から選ぶと、すぐ自分の作品に使えます

買う順番:小物 → ゲームに置く → キャラと風景 → 背景

ドット絵を描いてPNGで書き出し、ゲームエンジンに入れるまでの流れと、本で学ぶ順番の図

  1. 1冊目で小物をたくさん描く:おにぎり、鍵、宝箱など、1つ10〜30分で終わるものを完成させます
  2. 描いた小物をゲームに置く:PNGで書き出して、Godot/Unityで表示します。ここで「自分の絵が動いた」体験をしておくと続きます
  3. 2冊目でキャラクターと風景:人気作家の描き方をまねして、主人公や1画面の風景に進みます
  4. 必要なら3冊目で背景:タイトル画面やステージを、色・光・構図まで考えて仕上げます

一度に3冊そろえる必要はありません。1冊目を1冊やり切ってから、次の1冊を選ぶくらいがちょうどよいです。

おすすめの入門本3冊

本 向いている人 買う順番
ぽちぽちドット絵 自由に描いて楽しもう! 完全に初めて/まず手を動かしたい人 1冊目
みんなのピクセルアート(ドット絵テクニックを人気作家から学ぶ) 小物の次にキャラ・風景へ進みたい人 2冊目
ULTIMATE PIXEL CREW REPORT ピクセルアートではじめる背景の描き方 ステージ背景・タイトル画面を作りたい人 3冊目

1. ぽちぽちドット絵 自由に描いて楽しもう!

ぽちぽちドット絵 自由に描いて楽しもう! の表紙

中川悠京 著/エムディエヌコーポレーション(2023年3月)/256ページ

食べ物・動物・人物・乗り物・雑貨など、74のモチーフを1つずつ描きながらドット絵の打ち方を覚える本です。無料のドット絵ツール「EDGE」の使い方から始まるので、ツールも決まっていない人の1冊目に向いています。おにぎりや宝箱のような小さな小物は、そのままゲームのアイテム絵の練習になります。

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2. みんなのピクセルアート(ドット絵テクニックを人気作家から学ぶ)

みんなのピクセルアート(ドット絵テクニックを人気作家から学ぶ) の表紙

日貿出版社 編/日貿出版社(2025年8月)/159ページ(版元ドットコムの書誌情報による)

初級・中級・上級に分かれ、人気作家6人が自分の描き方を解説する本です。初級編は「小さいモチーフで基礎」「遠近法を使った風景」、中級編はiPadアプリを使ったキャラクターや、光と質感の描き方です。小物が描けるようになった後、キャラクターと風景に進みたい人の2冊目に向いています。上級編はPhotoshopを使うので、最初は飛ばしても大丈夫です。

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3. ULTIMATE PIXEL CREW REPORT ピクセルアートではじめる背景の描き方

ULTIMATE PIXEL CREW REPORT ピクセルアートではじめる背景の描き方 の表紙

APO+・モトクロス斉藤・せたも 著/ボーンデジタル(2021年4月)/202ページ

ピクセルアートの制作チームが、背景の描き方を色・光・構図・パース(遠近の描き方のことです)・テクスチャまで解説する本です。後半は3人の制作過程(メイキング)が載っています。タイトル画面やステージの1枚絵をきれいにしたい人の3冊目に向いています。1冊目としては少し難しく感じるかもしれません。

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描いたドット絵をGodot/Unityに入れるときの注意

せっかく描いたドット絵も、エンジンの初期設定のまま拡大すると、輪郭がにじんでぼやけて見えることがあります。これは、拡大するときに隣の色となめらかに混ぜる「フィルター」という処理が働くためです。ドット絵では、この混ぜる処理を止めます。

エンジン どこを変えるか
Godot 4.7 プロジェクト設定の「レンダリング → テクスチャ → Canvas Textures → Default Texture Filter」を Nearest にします(全体に効きます)。画面を大きくするときは、拡大の倍率を整数(2倍・3倍)にすると、点の大きさがそろいます
Unity 6.3 画像を選び、インスペクターで Texture Type を Sprite (2D and UI)、Filter Mode を Point (no filter) にします。Compression を None にすると、色がくずれにくくなります

もう1つのコツは、ツールで拡大してから書き出さないことです。16×16で描いたなら16×16のまま書き出し、大きさはエンジン側で決めます。後から直したくなったときも、元の小さなファイルを直すだけで済みます。

最初に買わなくていいもの

  • 有料のドット絵ツール:1冊目の本が使う無料ツール(たとえば「EDGE」)で十分始められます。Asepriteのような有料ツールは、アニメーションをたくさん作るようになってからで間に合います
  • 液晶タブレット:ドット絵は1点ずつ打つので、マウスでも描けます
  • 上級者向けの画集やメイキング集を何冊も:見るだけで満足してしまいがちです。まずは1冊を手を動かしてやり切りましょう

よくある質問

Q. 絵がまったく描けなくても大丈夫ですか?

A. 大丈夫です。ドット絵は点の数が少ないので、線をきれいに引く力より「どこに何色を置くか」が大切です。1冊目の本のように、小さなモチーフをまねするところから始めましょう。

Q. キャラクターは何ピクセルで描けばいいですか?

A. 初めてなら16×16か32×32がおすすめです。小さいほど点の数が少なく、早く完成します。ゲーム全体で大きさをそろえると、見た目のまとまりが出ます。

Q. 歩くアニメーションも本で学べますか?

A. 2冊目の『みんなのピクセルアート』には、アニメーションを含む作家の制作手順が載っています。まずは止まった絵を何枚か描いてから挑戦すると、つまずきにくいです。

Q. 電子書籍でもいいですか?

A. 問題ありません。ただ、ドット絵の本は1マスずつ見比べることが多いので、画面の大きいタブレットやパソコンで読むと見やすいです。

まとめ

  • 最初の1冊は、小さなモチーフを1つずつ完成させる本を1冊だけ
  • 描いた小物はすぐPNGで書き出して、Godot/Unityに置いてみる
  • エンジンでは「Nearest」「Point (no filter)」でぼやけを防ぐ
  • キャラ・風景・背景の本は、1冊目をやり切ってから選ぶ

四角い箱が、自分で描いた主人公に変わる瞬間は、ゲーム作りの中でも特にうれしい場面です。まずは鍵や宝箱など、アイテム1つから描いてみてください。

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参考

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