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はじめに
ホラーゲームは、写実的な3D空間だけでなく、2Dの見下ろし視点や、限られた画面の切り替えだけでも怖さを作れます。では、Steamで高く評価されているホラーゲームは、実際にはどんなゲームエンジンで作られているのでしょうか。
この記事は、Steamで高く評価されているゲームの「使用エンジン」をジャンル別に調べる企画の一つです。
今回は、Steamで評価の高いホラーゲーム10タイトルを選び、使用エンジンを調べました。内訳は、Unityが5タイトル、Unreal Engineが2タイトル、自社エンジンが2タイトル、Clickteam Fusionが1タイトルです。
今回調べた10タイトル
| タイトル | 使用エンジン | 初出年 |
|---|---|---|
| Phasmophobia | Unity | 2020(早期アクセス) |
| Lethal Company | Unity | 2023(早期アクセス) |
| Darkwood | Unity | 2014(早期アクセス)/2017(正式版) |
| Signalis | Unity | 2022 |
| Iron Lung | Unity | 2022 |
| Outlast | Unreal Engine 3 | 2013 |
| Visage | Unreal Engine 4 | 2018(早期アクセス)/2020(正式版) |
| Amnesia: The Dark Descent | 自社エンジン(HPL Engine 2) | 2010 |
| SOMA | 自社エンジン(HPL Engine 3) | 2015 |
| Five Nights at Freddy’s | Clickteam Fusion 2.5 | 2014 |
選定条件は、Steamの評価が「非常に好評」以上、レビュー数500件以上、販売元がMicrosoft、Sony、Sega、Capcomなどの大手ゲーム会社ではないことです。Steamの評価とレビュー数は2026年10月18日に確認し、全期間・全言語・購入方法を問わない全レビューを基準にしました。
エンジン名は、開発元の公式発表、開発者インタビュー、Steamストア、Wikipediaなどの公開情報で確認しています。タイトルごとの出典は記事末尾にまとめています。
Unity組 — 2Dから協力型ホラーまで
今回もっとも多かったのがUnityで、10タイトル中5タイトルでした。Unityは2Dにも3Dにも使える汎用ゲームエンジンで、ゲームの動きや処理を書く際には主にC#を使います。
Phasmophobia
Kinetic Gamesが開発し、2020年9月に早期アクセスで発売されました。2026年10月18日時点でもSteamでは早期アクセスです。Unity公式では、プレイヤーのマイクの声を利用する音声認識機能もUnity上で作られていると紹介されています。
Lethal Company
Zeekerssが一人で開発し、2023年10月に早期アクセスで発売されました。4人で遊べるオンライン協力型ホラーでも、Unityが使われています。
Darkwood
Acid Wizard Studioが開発した見下ろし視点の2Dホラーです。2014年に早期アクセスが始まり、2017年に正式版が発売されました。3Dだけでなく、2DのホラーにもUnityが使われている例です。
Signalis
ドイツの2人組スタジオrose-engineが開発し、2022年に発売されました。平面と立体の表現を組み合わせた見下ろし視点が特徴で、Steamでは3Dキャラクターアニメーションも使われていると紹介されています。
Iron Lung
David Szymanskiが開発し、2022年に発売されました。小さな潜水艦の内部という限られた空間だけで進むホラーです。作者は別作品DUSKについて、使い慣れていたことを理由にUnityを選んだと語っています。
Unreal Engine組 — 写実的な3D空間を作る
Unreal Engineを使った作品はOutlastとVisageの2タイトルでした。どちらも、写実的な3D空間を歩き回るタイプのホラーです。
Outlast
Red Barrelsが開発し、2013年に発売されました。エンジンはUnreal Engine 3です。続編のOutlast 2も同じUE3を使い、その後のThe Outlast TrialsではUE4へ移行したと開発元インタビューで説明されています。
Visage
SadSquare Studioが開発し、2018年に早期アクセス、2020年に正式版が発売されました。エンジンはUnreal Engine 4です。写実的な家の中を探索する3Dホラーで、Unreal Engineの採用例として分かりやすい作品です。
自社エンジン組 — HPL Engineを育て続ける
Amnesia: The Dark DescentとSOMAは、どちらもFrictional Gamesの自社エンジンHPL Engineを使っています。自社エンジンとは、ゲーム会社などが自分たちで開発・改良しながら使うゲームエンジンです。
Amnesia: The Dark Descent
2010年に発売され、HPL Engine 2が使われています。Penumbraシリーズで使われた初代HPL Engineから改良された世代です。
SOMA
2015年に発売され、HPL Engine 3が使われています。その後もHPL Engineは改良され、Amnesia: RebirthやAmnesia: The Bunkerへ引き継がれました。同じスタジオが作品を重ねながら技術基盤を育ててきた例です。
Clickteam Fusion組 — 画面の切り替えで怖さを作る
Five Nights at Freddy’s
Scott Cawthonが一人で開発し、2014年に発売されました。使用ツールはClickteam Fusion 2.5です。監視カメラの画面を切り替える仕組みを中心に怖さを作っており、自由に歩き回れる3D空間がなくてもホラーは成立することを示しています。
このジャンルから見えてくること
今回選んだ10タイトルを見ると、ホラーゲームの作り方とゲームエンジンにはいくつかの違いが見えてきます。
- Unityは最多だが、作風は一つではない。 協力型3Dホラー、2D見下ろし型、狭い空間だけで進む作品まで幅広く使われている
- 写実的な3DホラーではUnreal Engineの採用例がある。 OutlastとVisageはいずれも3D空間を歩き回るタイプの作品
- 自社エンジンを長く育てるスタジオもある。 Frictional GamesはHPL Engineを世代ごとに改良してきた
- 3D空間がなくても怖さは作れる。 DarkwoodやFive Nights at Freddy’sのように、2Dや画面切り替えを使った作品も高く評価されている
個人開発者への示唆
ここからは筆者の見解です。ホラーゲームでは、最初に「どんな方法で怖さを作りたいか」を決めると、エンジンを選びやすくなります。
- 2Dや3Dを問わず、まず形にしたいならUnity。 今回の10作品ではもっとも採用例が多く、幅広い表現に使われています
- 写実的な3D空間を重視するならUnreal Engine。 OutlastやVisageのような方向性を考える場合の候補になります
- 自社エンジンは最初の1本向けではありません。 自分たちで技術基盤を整備・改良し続ける負担があります
- 画面構成を限定する方法もある。 Five Nights at Freddy’sのように、自由移動を作らずにゲーム性と恐怖を成立させる例もあります
実際に学び始めるなら
記事で紹介した作品と同じエンジンを自分でも触ってみたい場合、動画講座で画面を見ながら進める方法もあります。
Unityを学ぶ:今回の10作品では最多の5作品で使われています。
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Unreal Engineを学ぶ:写実的な3Dホラーを作りたい場合の有力な選択肢です。
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参考にした情報源
- Phasmophobia(Steam)
- Phasmophobia(Wikipedia)
- Thrilling Indie Horror Games to Play This Halloween Season(Unity公式)
- Lethal Company(Wikipedia)
- Lethal Company(Steam)
- Darkwood(Steam)
- Darkwood(Wikipedia)
- Signalis(Steam)
- Signalis(Wikipedia)
- Iron Lung(Wikipedia)
- Iron Lung(Steam)
- Dusk: An Interview with David Szymanski(QuakeWorld.nu)
- Outlast(Steam)
- Outlast(Wikipedia)
- The Outlast Trialsのインタビュー(PlayStation Blog)
- Visage(Wikipedia)
- Visage(Steam)
- Frictional Games(Wikipedia)
- Frictional Games(Giant Bomb)
- Amnesia: The Dark Descent(Steam)
- SOMA(Steam)
- Amnesia: The Dark Descentのエンジンについて(Phoronix)
- Soma(Wikipedia)
- Five Nights at Freddy’s(Steam)
- Five Nights at Freddy’s(Wikipedia)
