はじめに:比較表の次は「実際の手順」
当サイトの既存記事「個人ゲーム開発の公開・配信プラットフォーム比較【STEP6】」では、unityroom・itch.io・Steam・ふりーむ!などのプラットフォームを比較しました。
では実際にどうやって公開するのか。この記事では「UnityでWeb向けビルドを出力して、unityroomとitch.ioに公開するまでの手順」をステップごとに解説します。
unityroomはブラウザ向けのゲームを公開できるサイトの一つで、Unity 1週間ゲームジャムの会場にもなっています。投稿時は公式サイトの現在の案内や利用規約を確認してください。
さらに同じWebGLファイルを使ってitch.ioにも同時公開することで、海外ユーザーにもリーチできます。両方に公開するかは、それぞれの利用条件と作品に合う届け先を確認して決めましょう。
WebGLビルドの出力手順(Unity 6対応)
STEP 1:WebGL Build Supportをインストールする
まず、Unity HubでWebGLビルド用のモジュールが入っているか確認します。
- Unity Hubを開く
- 左メニューの「インストール」をクリック
- 使用中のUnityバージョンの右側「︙」→「モジュールを加える」をクリック
- 「WebGL Build Support」にチェックを入れて「インストール」
すでにインストール済みの場合はそのままでOKです。
STEP 2:ビルド設定を開く
Unity 6では File → Build Profiles を開きます。旧バージョンではBuild Settingsと表示される場合があります。Unity公式マニュアル
STEP 3:プラットフォームをWebGLに切り替える
- プラットフォームの一覧から「Web」を選択。必要に応じて「Add Build Profile」から追加
- 「Switch Profile」または「Switch Platform」をクリックし、Webを有効にする
- 切り替えが完了するまで待つ(数十秒〜数分かかることがあります)
STEP 4:シーンを追加する
「Scene List」を開き、ゲームで使用するシーンを追加して有効にします。
- 「Add Open Scenes」をクリックして現在開いているシーンを追加
- 複数シーンある場合はすべて追加し、最初に読み込むシーンが0番になるよう順番を確認する
STEP 5:Player Settingsを設定する
Build Profilesの「Player Settings」ボタンをクリックして設定します。unityroom向けには、Development Buildをオフにし、Player SettingsのPublish SettingsでCompression FormatをGzip、Decompression Fallbackをオフにしてください。公開先によって指定が異なるため、最新の投稿先の案内を確認しましょう。
最低限設定すべき項目:
| 項目 | 設定内容 |
|---|---|
| Company Name | 自分のハンドルネームでOK |
| Product Name | ゲームのタイトル |
| Version | 1.0.0など |
| Default Icon | ゲームのアイコン画像(512×512px推奨) |
WebGL特有の設定(Resolutionタブ):
| 項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| Default Canvas Width | 960(設定例) |
| Default Canvas Height | 540(設定例) |
| Run In Background | 必要に応じて設定。ブラウザ側の制限で背景タブの動作が抑制される場合があります |
STEP 6:ビルドを実行する
- Build Profilesに戻り「Build」ボタンをクリック
- 出力先フォルダを選択(例:デスクトップに「WebGLBuild」フォルダを作成)
- ビルド完了まで待つ(ゲームの規模によって数分〜数十分かかります)
ビルド完了後の出力例(ファイル名や拡張子はUnityのバージョン・圧縮設定により異なります):
WebGLBuild/
├── Build/
│ ├── WebGL.data.gz
│ ├── WebGL.framework.js.gz
│ ├── WebGL.loader.js
│ └── WebGL.wasm.gz
├── TemplateData/
└── index.html
ローカルでの動作確認方法
ビルドが完了したら、公開前にローカルで動作確認します。
⚠️ 注意:
index.htmlを直接開くと動かない場合があります ブラウザの制限を受けるため、Build And Runや適切なローカルサーバーで確認しましょう。
方法①:Unity Editorから直接確認する(最も簡単)
Build Profilesで「Build And Run」を選択すると、Unityが自動でローカルサーバーを起動してブラウザでプレビューできます。
方法②:Visual Studio Codeを使う
- Visual Studio Codeで出力フォルダを開く
- 拡張機能「Live Server」をインストール
index.htmlを右クリック →「Open with Live Server」
確認するポイント
□ ゲームが正しく起動するか
□ 操作が正しく機能するか
□ 音が鳴るか(ブラウザの自動再生制限に注意)
□ 画面サイズが適切か
□ 読み込み時間が長すぎないか(目安:30秒以内)
公開前チェックリスト
unityroom・itch.ioにアップロードする前に、以下を確認します。
□ ゲームが最初から最後まで正常にプレイできるか
□ ゲームオーバー・クリア後に正しく画面が切り替わるか
□ Consoleにエラー(赤)が出ていないか
□ BGM・SE・画像の利用許諾や表示条件を確認したか
□ 他人のゲームのアセットを無断使用していないか
□ ゲームタイトルが決まっているか
□ 説明文(遊び方・操作方法)を用意しているか
□ サムネイル画像を用意しているか(推奨:1280×640px)
□ スクリーンショットを2〜3枚用意しているか
unityroomへのアップロード手順
アカウント作成
- unityroomにアクセス
- 右上の「新規ユーザー登録 / ログイン」をクリック
- 画面に表示される利用可能な方法でログイン
ゲームの新規登録
- ログイン後、右上のアカウントアイコン →「ゲームを投稿する」をクリック
- 「新しいゲームを登録する」をクリック
ゲーム情報の入力
| 項目 | 入力内容 |
|---|---|
| タイトル | ゲームのタイトル |
| 説明 | 遊び方・ストーリー・操作方法(Markdown記法が使える) |
| ジャンル | 該当するジャンルを選択 |
| タグ | 関連するキーワードを追加(例:アクション・パズル・1人用) |
| 年齢制限 | 全年齢/15歳以上/18歳以上から選択 |
WebGLファイルのアップロード
- WebGLのアップロード画面で、ビルド出力フォルダをドラッグ&ドロップし、画面の案内に従ってアップロード
itch.io向けzip圧縮の手順(Windows):
出力フォルダ(WebGLBuildフォルダの中身)を選択
→ 右クリック →「送る」→「圧縮(zip形式)フォルダー」
itch.io向けには、index.htmlと必要なファイルを含めてzip化します。unityroomではフォルダごとのアップロードに対応しています。itch.ioはファイル数や展開後のサイズなどに制限があるため、投稿前に公式ガイドを確認してください。
- アップロード完了後、プレビューで動作確認する
サムネイル・スクリーンショットの設定
- サムネイル:1280×640pxの画像を設定(設定しないとデフォルト画像になる)
- スクリーンショット:2〜3枚あるとゲームページが充実して見える
公開設定
公開設定を選び、保存後に公開ページで動作と公開範囲を確認します。
itch.ioへのアップロード手順
アカウント作成
- itch.ioにアクセス
- 右上の「Register」からアカウント作成
- メールアドレスとパスワードを設定して登録
💡 itch.ioはSettings(右上メニュー)から日本語表示に変更できます。
ゲームページの作成
- 右上のアカウントアイコン →「Dashboard」をクリック
- 「Create new project」をクリック
ゲーム情報の入力
| 項目 | 入力内容 |
|---|---|
| Title | ゲームのタイトル |
| Project URL | URLになる文字列(英数字・ハイフンのみ) |
| Short description | 1〜2行の短い説明 |
| Description | 詳しい説明・操作方法(HTML/Markdown可) |
| Kind of project | HTML を選択 |
| Classification | Game を選択 |
| Release status | In development(開発中)/ Released(公開)から選択 |
| Pricing | ブラウザ向けHTMLゲームは無料または寄付で提供。販売方法は公式案内を確認 |
WebGLファイルのアップロード
- 「Uploads」セクションで「Upload files」をクリック
- WebGLビルドをzip圧縮したファイルをアップロード
- アップロード後、「This file will be played in the browser」にチェックを入れる
⚠️ itch.ioのWebGL再生サイズを設定する 「Embed options」でゲームの表示サイズを設定します。Unityの出力サイズに合わせて設定してください(例:Width 960 / Height 540)。
スクリーンショット・カバー画像の設定
- Cover image:ゲームページのメイン画像(630×500px推奨)
- Screenshots:ゲームプレイのスクリーンショット(2〜5枚推奨)
タグの設定
「Tags」でジャンルに関連するキーワードを追加します。ゲームの内容に合う言葉を選び、対応している言語のみ設定しましょう。
よく使われるタグ例:
unity, browser-game, puzzle, action, novela, shooting,
日本語, 2D, indie, free
公開設定
「Visibility & access」を「Public」に設定して「Save & view page」をクリックすれば公開完了です。
公開後にやること
ゲームを公開したら、より多くの人に見てもらうためにやっておくべきことがあります。
① X(旧Twitter)で告知する
【ゲーム公開しました!】
タイトル:〇〇〇〇
unityroom:[URL]
itch.io:[URL]
〇〇をテーマにした△△ゲームです。
ぜひ遊んでみてください!
#unity1week #indiegame #ゲーム制作
ハッシュタグは #unity1week・#indiegame・#ゲーム制作 などがあります。イベント用のタグは参加条件を確認して使いましょう。
② 説明文を充実させる
公開後でも説明文は編集できます。以下の要素を含めると遊んでもらいやすくなります。
・ゲームの概要(1〜2行)
・操作方法(キー・マウス・タップの説明)
・プレイ時間の目安
・推奨ブラウザ(Chrome推奨など)
・クレジット(使用素材の出典)
③ フィードバックを収集する
unityroomにはコメント機能・星評価機能があります。公開後はこれらのフィードバックを参考に次回作の改善につなげましょう。
Steamへの道(次のステップとして)
unityroomやitch.ioで手応えを確認したら、Steamへの挑戦も視野に入ります。
- Steamworks登録費:1作品につき100米ドル相当。対象作品のSteamストア内・アプリ内購入による調整後総収益が1,000米ドル以上になると、その後の支払いで回収できます。詳細はSteamworks公式の説明を確認してください。
- 審査:ストアページとビルドの審査あり(期間は状況により異なる)
- おすすめのタイミング:プレイ数の決まった基準はありません。作品の準備、費用、審査と公開予定を確認して判断
まとめ
今回お伝えしたポイントをおさらいします。
- unityroomはブラウザ向けゲームの公開先の一つ
- 同じWebGLファイルをitch.ioにも同時公開すると海外ユーザーにもリーチできる
- WebGLビルドはUnity HubにWebGL Build Supportを追加してから行う
- ローカルでの動作確認は「Build And Run」またはLive Serverを使う
- itch.ioにはindex.htmlと必要なファイルをzipにまとめてアップロードする
- 公開先ごとの設定やアップロード条件は公式案内で確認する
- 公開後はX(旧Twitter)で告知・説明文の充実・フィードバック収集を行う
- Steamはunityroom・itch.ioで手応えを確認してから挑戦する
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